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『太平洋戦争の謎-戦後40年の検証』(佐治芳彦:日本文芸社)
-192頁~196頁-
(^@kj7^@kj7注:石原莞爾と言う名前の)昭和陸軍最高の
戦略・戦術家は、この戦争の敗因の最大なものとして、日本軍が攻勢
終末点を見失ったことを挙げている。
ガダルカナル島が米軍に上陸(正樹注:昭和17年8月7日)され、
ソロモン方面(南太平洋)の戦局が重大化したときに、高松宮(海軍
大佐)に戦局挽回についての意見を求められた。そのとき、彼は、大要を
次の如く述べている。
「戦争の勝敗は、最初から分かっている。日本軍の作戦は既に攻勢
終末点を越えている。戦力は根拠地と戦場との距離の二乗に反比例する。
持久戦争では攻勢終末点が最初から確立されなければならない。東条
(正樹注:英機)の戦争は、デタラメで決戦戦争の方法だ。攻勢終末点を
越えれば叩かれることは当然で、負けると分かっている所(つまりガダル
カナル)へ兵を送る馬鹿はいない」
つまり彼は、日本軍の戦線が、戦術上の原則を無視して拡がり過ぎた
ことに、まず敗北の理由を指摘した。これは東条個人と言うよりも海軍に
対する批判でもある点に注目したい。