06/09/19 23:04:32 0
バカにせずに、俺の話も聞いてくれ!
例えば、こいつは映画を見に行く、流行のお涙ものだ。
かわいそうな主人公、母を亡くしてがんばってるのか…
なんて思うこいつは同級生の首をまっぷだつに切断して蹴飛ばした殺人犯
で、かわいそうなのは映画の主人公ではなくて、被害者だ。
女の子とのランチタイム、新宿の裏路地のこ洒落たイタリアレストランで、
テーブルにはワイン、女の子は前菜の後にでてきた子牛のローストにナイフを入れる。
でもこいつがナイフを入れたのは、詰襟を着て苦しそうにしている
生きた同級生の首元だ。子牛からは想像もつかない、おびただしい量の血液が
イタリアワインのボトル以上に溢れたはずだ。
死んだ被害者もこの子牛のローストを、女の子と食べたかったことだろう。
仕事が終わり、スポーツクラブで汗を流す。帰り、クルマを脇に停め、
気だるいからだをシートにもたげ、幸せを感じる。
被害者は薄暗い廊下のコンクリに、首のない胴体をもたげ、
幸せを感じることもなく、15の春にあの世へいった。
頭はゴロンと転がっている。
30年間弁護士として少なからず楽しい時期を過ごし、
被害者は、何もない。無だ