07/10/05 19:47:14 EtkSb6RZ
まさか一巡目とは。良くて三、四巡目と思っていた」。午後三時十五分、札幌南の校長室にジャージー姿で現れた寺田投手は驚きと喜びの入り交じった表情を見せた。
一巡目指名は球技大会でバドミントンの応援の真っ最中に聞いた。「級友におめでとうと言われ、最初は何のことか分からなかった」
札幌南は道内屈指の進学校。ドラフトが一九六五年に導入されて以来、指名された選手はいない。寺田投手は指名の可能性はあったが、ドラフトが始まった時、集まった報道陣は三人だけ。指名のニュースが伝わると、校内は「本当か?」と大騒ぎになった。
報道陣も次第に増え、記者会見時には約三十人に。寺田投手は「勝利に貢献できる選手になりたい」とプロへの意欲をみなぎらせた。
寺田投手は恵庭・恵北中時代、学業成績はトップクラスで、硬式野球チームでも活躍した「文武両道」。札幌南で甲子園に行くのが夢で、あえて学区外の同校を選んだ。
「プロ入り」という、さらに大きな夢が加わったのは昨秋。秋季大会で球速百四十キロを初めて記録した。一年生のころは百三十キロ程度。急激に“進化”を遂げ、プロで通用する自信が芽生えた。
ただ、チームメートの多くは大学へ進む。寺田投手も慶応大を志望校に考えていた。父の自営業、智学(ちがく)さん(49)は「大学を出てからでも遅くないと言ったことはありますが、今はうれしい」と喜ぶ。 URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)