07/06/10 23:16:08 jLk0c39h0
「なぜ捏造するのだ」
「売り上げに問題がある、というのですが、何もそんな、売り上げが悪いわけではございませぬ」
「たくさんの人を騙したのか」
「はい。はじめはアルバイトを。それから客、常連と・・・」
「おどろいた。プレステージは乱心か」
「いいえ、乱心ではございませぬ。いっこうに業績があがらぬ、というのです。このごろは素人や女子校生ものに興味のない者も騙し、家に帰って、再生して涙をのむのです。今日は六人騙されました」
聞いて鈴木義彦は激怒した。「あきれた社長だ。生かしてはおけぬ」
鈴木義彦は、単純な男であった。そのあしで、のそのそ渋谷本社の社長室に乗り込んでいった。たちまち彼は、警備のものに捕縛された。調べられ鈴木義彦の懐中からカッターナイフが出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。鈴木義彦は社長の前に引き出された。
「このカッターナイフで何をするつもりであったのか。言え!」暴君高井則之は静かに、けれども威厳を持って問いつめた。その社長の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
「この世をパギから救うのだ」と鈴木義彦は悪びれずに答えた。