07/02/03 22:48:17 WTgORcd20
■若手作家の旗手
03年ごろから始まったとされるライトノベルブームは多くの才能あふれる若手
作家を生み出したが、06年は特に若手の活躍が目立った一年だった。「ボトル
ネック」の米澤穂信、「ひかりをすくう」の橋本紡、「レインツリーの国」の有川浩……。
中でも桜庭一樹は代表格といえるだろう。
桜庭は、少女とドメスティックバイオレンスを絡めた「砂糖菓子の弾丸は撃ち
抜けない」や、真夜中の学校で、見世物としての格闘技「キャットファイト」に明け
暮れる少女たちを描いた「赤×ピンク」など、多彩な作風で常に読者の注目を浴びてきた。
(略)
小説に限らず、多くのエンターテインメントは、物語を必要としなくなった時代と
言われている。マンガやアニメ、ライトノベルでは、キャラクターの可愛さだけにしか
フォーカスしない“キャラ萌え”や、フィクションであることをわざと避けるような“楽屋
落ち”に走る作品がもてはやされる中、桜庭は、「物語の持つ力」をもう一度見せつけ
ることに成功した。「物語無き時代」に生まれた「大いなる物語」。現段階で、桜庭の
最高傑作といって過言ではない。
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)