03/11/29 14:18 LohOgPT3
H2Aの打ち上げ失敗、機体を爆破
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日午後1時33分、
鹿児島県の種子島宇宙センターから大型ロケットH2A6号機を
打ち上げたが、ロケットにトラブルが発生したため、約13分後、
地上から指令を送り爆破した。
搭載していたのは北朝鮮の軍事施設などを監視する情報収集衛星
2基。H2A打ち上げは2001年8月の1号機以来、5回連続成功して
いたが、国の安全保障に重要な役割を果たす衛星の打ち上げに失敗
したことで、H2Aへの信頼が失墜するのは必至だ。
文部科学省と同機構では今後、飛行データの分析を急ぐとともにエン
ジンの製造過程についても詳しく調べる。
搭載されていた情報収集衛星は、高精細の画像を撮影する光学衛星と、
悪天候や夜間でも地表を監視できるレーダー衛星各1基。3月に打ち上げ
られた二基と合わせて運用し、地球上のあらゆる地点を1日に1回
以上撮影することが可能になるはずだった。
情報収集衛星は1988年8月の北朝鮮によるテポドン発射が契機
となり、北朝鮮の軍事施設や核開発状況を日本が独自に行うために
同年12月に導入が閣議決定された。現時点では次号機の打ち上げは
2005年度に予定されており、日朝関係の緊張が続く中、衛星の本格
運用が2年間遅れることになる。
H2Aは来年初めに気象衛星と航空管制の機能を併せ持つ「MTSAT―1R」
を打ち上げる予定で、2005年度までに観測衛星や科学衛星など計6回の
打ち上げが予定されていた。いずれの衛星も打ち上げ延期となるか、現在、
日仏政府間で交渉が進むアリアン5での代替打ち上げとなる可能性が高い。
(2003/11/29/13:56 読売新聞 無断転載禁止)