03/11/06 15:57 grOnOdZc
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「よし、あそこだ」思わず口に出た言葉を呑みこんで、釜に近寄る私の足にしがみ
ついてきた母親を蹴とばし、つきたての餅のようにフワフワした赤ん坊の足首を握りかえして、
頭を逆さまにしたまま釜をめがけて投げ込んだ。ギャー……釜の湯を吹き上げ、ひときわ
高い赤ん坊の悲鳴が私の耳に錐を揉みこまれるように鋭く食いこんできた。
そして、一瞬静寂に返った空気の中にキーッと絹を裂くようにわが手を奪われ
た母親の叫びが壁をゆすぶった。
自己の欲望を満足させるための邪魔になるからといって、生きている人間の子どもを……
ようやく舌がまわりはじめたなんの罪のない赤ん坊を、煮え湯の中に投げこんでしまったのだ。
わが子を気づかい、必死に釜に駆け寄ろうとする母親を、「餓鬼を片づけりゃ、今度はお前をゆっくり……」
と私は勝ち誇った頬をゆがめて腰を蹴り上げると、母親は壁に当たってオンドルに転がった。
「フンッ」と鼻を鳴らして、「お前がおとなしくしねえからだ」と、わが子の名を呼び救いを
求めて悲痛な叫びをあげる母親を、「なんとわめこうと百年目だ」とばかり口をふさごうとした。
その手へ歯をもって逆らう手ごわい抵抗に、ますます野獣の本性を現した私は、頭から布団をおっかぶせ、
その上に馬乗りになって、身悶えするのをついに蹂躙したのだ。