05/02/02 23:36:14 nmHOzYN0
私は東京新聞の正社員で、東京新聞から給料、ボーナスを貰っている。
それなのに商売敵の掲示板に書き込みをするのだから、なんとも乱暴というか、仁義なき記者だった。
もしこの事実がバレたら当然、処罰されていたろう。
私の書き込みが掲示板で活字になった日の夕刻、私は東京新聞運動部で何食わぬ顔をして、掲示板を眺めていた。
上司も同僚も、まさか私がこの掲示板に書き込みをしているとは、誰も気付かない。ざまあ見やがれという気分である。
すると私と仲の良い、一人の整理部員が何気なく近寄ってきて、私の耳元でささやいた。
「近藤さんよ、掲示板に書き込みをするときは、近藤節はマズいですよ。せめて書き出しを変えるくらいしないと―」
私の表情がピクッと動くと、彼はウインクして背中を向けた。その背中にはちゃーんと、
「安心なさいよ、誰にもしゃべらないから」と書いてあった。
ただここで、私は思うのである。
実際には、ほとんどの社員にバレていたのではないか、と。
それでも、上司は言わない。同僚も言わない。こうなればどっちが言い出すか、我慢比べである。
こういう社員がいたっていいじゃないの、人間だもの―。