04/06/07 02:01 aLBpA6TJ
翌日、上坂は試合前のミーティングでスターティングメンバーを聞いて
腰を抜かした。そこに「1番・センター」で自分の名前があったからである。
上坂はベンチで震えながらこう思った。
「俺は骨がジャリになっても打つ」
そしてこの日の上坂の打撃成績はこうである。
「二飛失、四球、中前安、右前安、三ゴロ 3得点、1盗塁」
つまり、5回の打席のうち4回出塁し、そのうち3回ホームに
還ってきたのである。試合には負けたが、1番打者として
立派にチームに貢献したといえる結果である。
試合中、生還して息を切らせながらベンチに戻ってきた上坂が
涙を浮かべながら恩師・岡田のほうを見ると、岡田は知らん顔で
鼻くそをほじっている。
男と女の色恋沙汰もいいが、私のような昭和一桁はこういう
男同士の浪花節にグっと来るのである。