05/02/10 23:31:57 qTVqCWdB0
真冬の肌寒い夜のこと。
ある会社員が残業でくたくたになった体に鞭打って家路を急いでいた。
今日は娘の誕生日。プレゼントもちゃんと用意してある。
なんとか娘が寝てしまう前に渡してやりたい…。
そう思いながら歩いていると、ふと、とてもおいしそうないい匂いがした。
湯気…こんなとこに屋台なんて珍しいな。最近できたのかな。
急がなければいけないと思いつつ、男は匂いに誘われるまま屋台に向かった。
「ラーメンひとつ」
待つこと5分、出てきたラーメンは非常においしい。
醤油でも、味噌でもない、なんだか懐かしい不思議な味がする。
男は親父にダシについて尋ねてみたのだが、残念ながら教えてもらえなかった。
「ダシはうちの自慢でね、懐かしい味だろ。常連さんには教えてあげるんだがね、
まぁでもたまにここでやってるからまた来てくんな。」
男が勘定を済まそうとすると、親父は
「勘定はいいよ。初めての客から金は取らない主義でね。次来たとき払ってくんな。」
男は深く考えずラッキーと思い、またとぼとぼと歩き出した。
だが男は何も知らない。まだ気づいていない。
今日は娘の誕生日。プレゼントもちゃんと用意してある。
今日は娘の誕生日…。
ナポリタン系?
ナポリタンより結構面白い。一瞬考え込んでしまった。