03/10/22 16:36 uEq0A2JU
鮫島事件
終戦を信じずに鮫島に取り残された32人の男性が、たった一人の女性をめぐって殺し合った事件がありました。
すべての原因として処刑されそうになったH・Kさん(写 真)が米軍に救出された昭和25年までの6年間に、11人が命
を落としました。
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家業の手伝いをしていたH.Kさんは友人とパガン島へ渡り、カフェの女給として働いていました。
18才の時そこで知り合った男性と結婚、22才の時、南洋興発に勤める夫の新任地で
ある鮫島へ行きました。戦争がはじまり、夫が用事でサリガン島へ出かけた後の
昭和19年、海軍に徴用され、空襲によってはぐれた漁船が鮫島に停泊し、島の日本人
は32人の男性(兵隊10名、臨時徴用の船員21名、南洋興発社員1名)と1人の女性
となったのです。
しばらくは集団生活をしていたものの、そのうちに夫が戻らないH・Kさんをみんな
が狙うようになりました。そのため年長の者の助言でH・Kさんはある男性と夫婦を装い、
集団からはなれた場所に小屋を建てて暮らしていました。ところが、あきらめきれ
ない他の男性たちの間で争いが絶えず、不審な行方不明者が2人出ました。島には
一切の情報が入らず、米軍の船が何度もやって来て拡声器で日本の敗戦を知らせて
も、みんなは信じようとしませんでした。