( ^ω^)は街で狩りをするようですat NEWS4VIP
( ^ω^)は街で狩りをするようです - 暇つぶし2ch97: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:06:51.41 7Gf019+K0
弓なりだった“蜻蛉”の尾が垂直に伸びる。
複眼をこちらに向け、明らかな攻撃態勢を整えた。

(;´・ω・`)「来るぞ!」

注意を促すショボンの言葉と同時、“蜻蛉”は腹の先端から水を勢いよく噴射した。
ジェット噴射の要領で吹き出た水は、“蜻蛉”の飛行に推進力を与え。
ガイルと春麗はおろか、ショボンの目でも捉えきれない速度の突撃を繰り出した。

3人の間を、3匹の“蜻蛉”がまるで一陣の風のようにすり抜ける。
まさに突風であり、風圧で3人をなぎ倒した。

从;゚∀从『ガイル! 春麗!』

尻餅をつかせただけではない。
交わった瞬間、ガイルと春麗は、足を膝から奪われていた。

ガイル「うああああああああアアアアッ!!」

春麗「ああっ……あ、うう……」

悲鳴を上げたのは、膝から血がびゅうびゅうと吹き出るのを
呆然と眺めていた数秒後だった。

98: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:08:32.53 7Gf019+K0
強靭な顎で肉を千切り取った“蜻蛉”は、空中に戻っていた。
そして、体を歓喜に震わせて、美味そうに咀嚼している。

(;´・ω・`)「ガイルさん! 春麗さん!!」

ショボンは、かろうじて攻撃を回避していた。
倒れた2人に駆け寄り、容態を見る。


(;´・ω・`)「まずい……感染する!」

サーモグラフィで見る傷口は、特徴的な温度表示で覆われていた。
だが、赤色は全身に広がろうとはしていない。
彼等2人が多少の免疫を持っていることが幸いしているようだ。

ショボンはBBBladeの刃を、2人の腿に刺した。
痛烈な悲鳴がショボンに罪悪感を与えるが、構わず、腿を切断する。
抗体を送りながら接触面を切り落とせば、感染を免れると判断しての行動である。

ガイル「う、ああ……っつう……」

春麗「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

(;´゚ω゚`)「感染は防げたけど……まずいな……」

サーモグラフィから赤色が消えたが、安堵している状況ではない。
すぐに上空のセカンドを見据え、剣と銃を構える。

99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:09:01.97 0JRyFolAO
やべぇ

100: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:11:19.21 7Gf019+K0
攻撃の対象を自分にと、ショボンは倒れる2人の前に陣取る。
腰だめに武器を構え、銃口を“蜻蛉”に向ける。

(;´゚ω゚`)「うおおおおおおおおおおおお!!!」

雄叫びをあげ、自分を奮い立たせてBlueBulletGunを連続して撃った。
ガウン、という重い響きと共に、6発の弾丸が“蜻蛉”に襲い掛かる。

が、僅か一匹の羽一枚を掠め取っただけ。

《きいいいいいいいきいいいいいいいいきいいいいいいいいいい》

怒り狂った“蜻蛉”が、先ほどと同じくジェット噴射で迫る。
激突間際、“蜻蛉”は口内から粘着力のある液体を発射し、
武器を使用し掛けていたショボンの腕から自由を奪い、更に。

液体は蜘蛛の糸のように変化を起こし、
そうして出来上がった糸を“蜻蛉”は吸い上げた。

右腕、左腕の肘が、2匹の顎に捕らわれると、空中に引っ張り上げらた。
猛スピードで流れる周囲の景色は、ただの灰色にしか見えず、
押し潰されるような空の青色だけが確かな映像である。

101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:12:22.26 eq++PpDlO
あああああああ支援!

102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:13:27.97 0JRyFolAO
ブーンはやく

103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:13:53.53 KdU+sXNQ0
犯した罪を別の何かで償う……贖罪メーターを思い出すでえ

支援

104: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:14:25.44 7Gf019+K0
蹴りを入れようにも届かない。
両腕の出力を最大限まで上げようとも、肘は顎から外れようとしない

(;´゚ω゚`)「離―」

罵声が最後まで口から出る事は無かった。
“蜻蛉”どもの手の爪がショボンの腹を突き刺し、傷口を広げようと左右上下に引っ張り、
腹の中の内容物を露出させようと始めたのだ。

“蜻蛉”は、人間の腹の中に美味な肉が詰まっている事を学習している。
早く喰らおう、早く啜ろうと“蜻蛉”は焦り、乱暴にショボンの腹を突いた。

(;´゚ω゚`)「グウ、クッ――!」

内臓を保護する装甲が、打突で大きく震える。
痛みは無く、今は感染の心配も無いが、装甲を突破されるのは時間の問題である。
このままでは感染……いや、腸を喰い尽されてしまう。

だが、ショボンはニヤリと口の端を尖らせ、

(;´゚ω゚`)「おいおい、喰ってる場合かな?」

“蜻蛉”を凌駕する速度で接近する「黒い影」に呟いた。

105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:16:41.83 eq++PpDlO
きたあ!ブーン早く!

106: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:17:17.55 7Gf019+K0

(#^ω^)「ショボン! 今助けるお!!」

ハーレムストリートの上空で、微弱ながらも熱反応を捉えていた。
誤感知かとも思ったが、ガイルはハーレムに落ちたと聞いていたブーンは、
脳裏に浮上する嫌な予感を無視できなかった。

予想は外れはしなかったが、想像より最悪だ。
唯一無二の友人ショボンが喰い殺されんとされている光景を見て、
ブーンの背筋を凍りつかした。

しかし、胸はめらめらと燃えた。

BLACK DOGのハンドル部中央のパネルを叩き、オートパイロットにさせる。
更にもう一打し、武器庫を開いた。
左右を挟むボディの一箇所が金属的な音を伴って開き、
生じた穴から“Sniper”の柄を突出させた。

柄を掴み、引き抜く。
すぐさま“Sniper”と脳に積載された処理システムをリンクさせ、

(#^ω^)「喰らえ!!」

ショボンにまとわりつく、3匹の蟲の腹や尾を弾いた。
被弾し、抗体を注入された“蜻蛉”は声もあげず、地へと引っ張られていった。

107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:17:54.01 syBfN79UO
支援!

108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:18:06.94 KyjBjlWY0
ブーンきたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:19:02.72 0JRyFolAO
ぱねぇ支援

110: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:19:43.44 7Gf019+K0
同じく落下してゆくショボンを、ブーンは空中で彼の腕を掴んで、拾い上げた。
そしてショボンが手に持っていたBBBladeを取りあげ、
ショボンの腹に引っかかっている蜻蛉の手を切断した。

どろどろに液状化した体が、地に落ちた。
赤い血と肉の溜まりが、コンクリで広がった。


BLACK DOGが着陸する。
ショボンは見た目の損傷からは想像できないほど、楽そうに立っている。

(´・ω・`)「助かった……ありがとう、ブーン」

( ^ω^)「……あまり無茶するなお、ショボン」

(´-ω-`)「それにしても、君を頼りにしてばかりだな……不甲斐ないよ」

(;^ω^)「ショボン……」

ショボンの弱弱しい声の理由を、言動から理解してしまった。
以前、ショボンが「抗体を持つ者はセカンドと戦う使命がある」と言っていたのを思い出した。
加え、今日の自分の愚行が、ドクオあたりから伝わっているとしたら―、

(´・ω・`)すまなかった」

……責任を感じて、街に飛び出してしまったんだろう。
ブーンは、そこまでショボンを追い詰めてしまった事に、胸を鋭く痛めた。

111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:20:55.01 Te5KCEcr0
支援!!!!

112: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:21:36.60 7Gf019+K0

ガイル「ぶ、ブーンか……やっぱり来てくれたか……」

(;^ω^)「ッ! ガイルさん!!」

擦れた声が耳に入る。
聞き覚えの強い声の主もまた、危機的状況にあるのか。
ガイルを見ずとも、ブーンの心に罪悪感が重く圧し掛かる。


駆け寄って見たガイルと、見知らぬ女性のケガは酷かった。
2人とも足を一本失っているなんて。

ガイル「ふふ、そんな顔で……見るなよ。心配するな。
     足は、クローンかなんかで……きっと元に戻る」

春麗「それより……早くブロンクスに……。
    第2防衛ラインが突破される……」


(; ω )「……すみませんでしたお……」

それ以外、返す言葉が浮かばなかった。
彼等は命を賭して戦っていたというのに、戦いから背いていた自分を軽蔑する。

113: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:23:22.97 7Gf019+K0

ガイル「謝る事無いさ……ブーン。
     人間は誰だって迷う……」

(´・ω・`)「それに、皆何かを守りたくて戦いに来たんだ。
       でも……奴等を倒せるのは、きっと君だけだ……。
      最後は結局、君に頼る事になってしまったね……本当にすまない」

(  ω )「ガイルさん……ショボン……」

機械の瞳じゃなければ、大滝のような涙で頬を濡らしているだろう。


( ^ω^)「……後は任せてくださいお」

(´・ω・`)「美味い酒を用意して待ってるよ」


『ブーン! 急いで! 防衛ラインが突破される!
 ショボン! 救助班を送ったわ! 到着までまでガイルさん達を頼んでもいいわね!?』

(´・ω・`)「任せろ小娘! って、外出してる事が筒抜けになってしまったじゃないか……。
      君からお上に上手く言っといてくれよ」


( ^ω^)「……行ってくるお! ショボン、2人を頼むお!」

  __

114: ◆jVEgVW6U6s
09/07/26 20:25:40.34 7Gf019+K0



(*‘ω‘ *) 「CHIN……PO……PO……」

戦闘用AIロボ、C・PPの拉げた首が街中に転がっている。
ギコの尻尾に殴られ、爪で首を掻っ切られたC・PP達。
並のセカンド相手には優る性能であるが、ギコの前ではどんな武装も無力であった。

C・PPを、股間から尻尾を串刺して掲げるギコ。
体に、傷は一筋も無い。

(* ω‘ *) 《チイイイイイイイイイイイイイイイイヂイイイイイイイイイイイイイ!!》

尾の先端が脳天を破っている。
尾が太く、C・PPの細い体の随所が尾に破られていた。
臓器は無いが、配線や金属がバチバチと鳴らして
腹や胸、顔の亀裂から出ている様は、人間の猟奇的であろう。

発声器官か、それともAI部分を破壊された為か、
悲鳴とも似つかない奇声を、その場のどんな音よりも大きなボリュームで延々と上げている。


(* ω‘ *) 《チイイイイイイイイイイイイイイ、》

うるさい口に、ギコは使っていない尾を全て突っ込む。
入るはずがなく、大体の尾が顔面を突いて粉々に破壊した。
単純に声を発すという意味では、最後のC・PPだった。

115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:28:10.40 eq++PpDlO
ちんぽっぽちゃんがああああ!!!

116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/07/26 20:29:16.93 QQDSxB97O
守る決意をした男と「遺志」の支援
URLリンク(imepita.jp)

117:作者
09/07/26 20:31:34.10 +ftPaPwVO
こちらブラボーチーム!
さ、SALの群れに襲われた! 増援をもとm……うわあああああああ!!


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