09/08/05 12:21:53 EC2H7x0A
トンスル職人の朝は早い。
李さんの一日は日の出前の午前3時に始まる。
「日が昇る前にこの子の今日の機嫌を聞かなきゃならないからね。」
そう言うと李さんは便壺に入り、大きく息を吸い込むと中に潜り込んだ。
3分ほどして顔を上げると、李さんは上へ叫んだ。
「大大中!!」ウンコを大盛り二人分と普通サイズ一人文という意味だ。
「合点でさぁ!!」返事をすると弟子はウンコをし始めた。
弟子のウンコを頭から浴びながら、李さんは上機嫌に微笑んだ。
辛いと思った事はないかと聞くと、「そりゃあ辛い事もあるさ。真冬なんか氷点下になるしね。そんな時には
身体の芯から凍りそうになるよ。」
しかしどんなに辛くても4時間毎に便壷に潜り便床と竹筒の状態の確認は休めないと言う。
「好きじゃないと出来ない仕事だよね。」茶色い歯を見せながら李さんは言う。
「だけどね。」ちょっと照れくさそうにはにかむと李さんは続けた。
「役得もあるんだよね。」そう言うと、李さんは両手一杯にウンコを掬うと美味しそうに頬張った。
「熟成されたウンコを食べられる機会なんてあんまり無いでしょ?」
ウンコ塗れの李さんの笑顔が我々にはまぶしかった。
こうして李さんは今日も美味しいトンスルを生産しているのだ。