09/08/01 21:17:44 EbdAn0Ik
その晩年。
正月にお互いの糞を舐め合い、また秘蔵の珍品糞を披露して新年の無事と幸せを祈る当時の李氏造船の風習は、
現代韓国におけるそれと、ほぼ同様である。
しかし、その年の元旦、ある将軍宅に招かれた嘗淑であったが、その主の行状はいささか度を超えていた。
何百人になんなんとする客たちを前に、天竺において得たというそのとぐろ糞を延々と自慢し、自らの未熟な嘗糞哲学を語り続ける将軍に、
皆は心底辟易していた。
と、その時・・・それまで胡座したまま静かに眠っていたかに見えた嘗淑が、突如しんしんと口をひらいた。
「嘗糞道の極意は求めずして嘗め、期せずして嘗めること・・いかに珍なる品とはいえ、自ら糞を求めるようでは未だ未だ・・・道を極めたる者には、
糞のほうが嘗められに来るものでござる」
来客達の顔色がさっと蒼ざめた。六尺にもなる長身を誇る血気盛んな将軍は、ぎらりと光る造船刀を抜き放つと、天にまで響こうかという大音声で叫んだ。
「言うたな嘗淑殿!・・ならば貴殿の言葉を証してみよ、・・・場合によっては只ではすまんぞ!!」
その言葉を聞くともなく悠然と屋敷の庭に歩み出た嘗淑は、ゆっくりと口を空け、天を仰いだ。
満座の客が、突如空を黒く埋め尽くすが如く飛来した渡り鳥の大群を見てあっと思ったその刹那、空よりぼとぼと落ちてきた大量の糞が、
一瞬にして嘗淑の口中を満たしていたという。
糸冬