09/07/29 16:50:37
【大阪】民間のシャーマニズム信仰に根ざした在日の祈りの場「桜ノ宮龍王宮」が
「不法占拠」を理由に行政から立ち退きを迫られている。
研究者からは「貴重な文化遺産をなんらかの形で残せないか」という声が上がっている。
龍王宮のある敷地は、JR環状線桜宮駅の高架下から大川の河川敷に広がっている。
高架下の路地を入ると廃品回収の買取場や事務所、炊飯場、寄宿舎が木々に囲まれ
軒を連ねている。狭い路地をさらに進むと、大川の水辺に面していちばん奥に建っている。
いまでも鶴橋や奈良県生駒からポサル(菩薩)を呼び、月数回はクッ(巫祭)が行われる。
恨を祓う一連の儀式は数日にわたって続くことも珍しくない。
郷土文化研究者で生駒・宝塚の「韓寺」事情に詳しい曺奎通さんは「日本社会での複雑な
立場や、ままにならぬ生活上の不安が在日韓国・朝鮮人を現世利益を願うクッに走らせて
きた」と分析している。
行政からの退去命令が出たのは家屋を管理してきた在日同胞が亡くなって間もない今年
1月。低所得層地域のまちづくりに関する実践的な研究が専門の全泓奎さん(大阪市立
大学都市研究プラザ・准教授)は、「龍王宮には済州道につながる在日同胞の文化、歴史、
宗教があり、生活があった」と惜しむ。「行政と折衝して、済州島を思わせる石垣や韓国風
の開放的な東屋をつくるとかいろんな方面からの知恵と協力が求められている」といった
声も上がっている。
(2009.7.29 民団新聞)
URLリンク(www.mindan.org)
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