09/07/08 22:21:33
中国新疆ウイグル自治区で発生した暴動は、漢族によるウイグル族への“報復”という事態に発展した。共産党中央指導部は、
対立がこれ以上激化することを食い止めようと、現地で「民族団結」を呼びかけ始めた。しかし、ウイグル族と漢族の住民は、互いに
怒りと憎悪の視線を投げかけ、一触即発の状態が続いている。
(ウルムチ=新疆ウイグル自治区 野口東秀)
■「助けてください」
「この刀を振りあげて漢族は襲ってきた。友人は頭に重傷を負った」
自治区の区都ウルムチの中心部に近いウイグル族の居住区。7日夕、暴徒化した数千人の漢族が凶器を手にここを襲撃した。
長刀、中華包丁、クギを刺した棍棒(こんぼう)、スコップ、鉄パイプ…。漢族が残していった凶器を、住民は1カ所に集めていた。
「1人一殺だ」。漢族はこう叫びながら凶器を振りあげ、投げつけたという。「あの路地奥では4人死んだ」と、住民の1人は指さした。
警察官が短銃2発を発砲し威嚇したが、けが人を助けずに去ったという。「『襲撃の死傷者は1千人近い』と、政府機関の友人から
電話があった」とも話す。
別の場所でも話を聞いた。「鉄パイプとヌンチャクで襲われた」と、声をあげ泣きながら振り返るのは、女性のグリーさん(40)。
この一角も長刀などを手にした「1千人ほど」の暴徒に襲われ、グリーさんの雑貨店はガラスが破られ、ドアが壊された。彼女は
洗濯機の中に隠れた。「ごめんなさい。助けてください」。そう何度もつぶやいた。18歳の妹は天井裏から逃げた。父は5日に武装
警察に連行されたままだ。
アマニヤズさん(37)は自分の車を前に「漢族の群衆がこの車を破壊するのを家の窓から見ていた。なすすべがなかった。漢族と
仲良くしていたのに、どうしてだ…」とつぶやいた。
中華包丁を腰のベルトにさした漢族の青年(22)がいた。「あいつら(ウイグル族)がまた襲撃してきたら、これでやっつけてやる」。
腕の入れ墨が目についた。「漢族の気持ちは怒りでいっぱいなんだ」とぶちまけた。
■「民族団結」を
8日、上空を飛行する軍のヘリコプターから、白い紙が大量にまかれた。「冷静になれ、民族で区別するな」と書かれている。自治区
の王楽泉党委員会書記がテレビを通じ呼びかけた文書だ。街角でも配布されている。
武装警察の宣伝車は拡声器で「民族融和を」と、がなりたてる。武装警察のトラックには「国家安定 経済発展」の横断幕。街の
あちらこちらで「漢族は少数民族と切り離せず、少数民族も漢族と離れられない」というスローガンを目にする。当局は国内メディアも
通じ「民族団結は中華民族の根本的利益」(8日付の人民日報)と、しきりに強調している。
ヘリからまかれた文書を、ウイグル族の男性がくしゃくしゃにして捨てた光景が、当局の呼びかけに対する「答え」を象徴しているかの
ようだった。
ソース(MSN産経ニュース)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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写真=8日、漢族が襲撃する際に使い、投げつけた刀、包丁、スコップ、釘を刺した棒などを示すウイグル族住民。
10数人が「死亡した者がいる」と一斉に口をそろえた
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
写真=8日、軍が新疆ウイグル自治区に「進軍」した記念で作られたウルムチ市の人民広場で勢揃いした約1000人の武装警察と特別警察
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
写真=8日、漢族に襲われたウイグル族など少数民族居住区。大量の武装警察部隊が配備され、街の巡回員が警棒を手に警戒する
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
写真=8日、漢族に襲われたウイグル族など少数民族居住区。破壊された自分の車の前で憤るアマニヤズさん(左)。市内は武装警察
部隊が配備され、街の巡回員が警棒を手に警戒する
URLリンク(sankei.jp.msn.com)