09/07/05 14:06:56
日本在住の韓国人科学者が、念じるだけで車いすを自由自在に動かせる技術を開発した。手足が
まひした患者でも一人で車いすを動かせる、というわけだ。これは、思考と機械の動きを連結する、いわ
ゆる「脳－機械インターフェース（BMI / Brain-Machine Interface）」のおかげだ。車いすだけではなく、
ロボットも念じるだけで動かすことができる。CMのフレーズのように、「思うだけで思い通りに」なる世の中
が近付いてきている。
◆左手を想像すると左側に回転
日本最高権威を誇る科学研究所といわれる理化学研究所傘下の脳科学研究所（BSI）。ここに所属
する崔圭完（チェ・ギュワン）博士（35）は29日、文部科学省で行われた記者会見で、「ポーランド出身
のアンジェイ・チホッキ博士と共に、頭の中で手足を動かすことを念じ、それに従って車いすを動かすことに
成功した」と発表した。
思考で動く車いすの操作は簡単だ。右手を握る想像をすれば車いすが右側に回転し、左手を想像
すれば左側に回転する。両足で歩く動作を思い描けば、車いすが直進する。何も考えなければ停止する。
万一の誤作動の可能性を考慮し、非常停止機能も備えられた。首から下がまひした患者が使うこと
を考え、ほおに電極を付けた。患者が非常停止したいときは、ほおを動かすだけでいい。崔博士は「首
から下がまひした脊髄（せきずい）まひの患者でも、1週間程度練習すれば、念じるだけで一般の車いす
の移動速度と同じ速さで車いすを動かせることが分かった」と語った。思考の解釈の正確さは95％で、
これまで開発されたBMIの中では最高の値だ。
◆中核は動作によって異なる脳波
成功の秘訣（ひけつ）は、手足の動きを念じるときに異なる形で現れる脳の電流変化、すなわち脳波
にある。人が右手を動かすことを念じると、右手の動きを担当する大脳左側の運動皮質で脳波の震動
幅が小さくなることが分かっている。反対に、左手の動きを念じると大脳右側の運動皮質で脳波の震動
幅が小さくなる。両足で歩くことを念じると、足とかかわる真ん中の運動皮質で脳波の震動幅が小さくなる。
研究陣は、左右にそれぞれ二つずつ、真ん中に一つ、合わせて五つの電極が付いた帽子を患者にかぶ
らせ、何かを念じたときの脳波の変化をとらえた。コンピューターがその信号を受信して、どんな動きを考え
ているのか把握する。そして、左手を握ることを考えたと判断すれば、左側に回転するよう車いすを動かす。
崔博士は「0.12秒で脳波から左右の回転あるいは直進の命令を受けられる。車いすが思い通りに動か
なかったときは、ちょっと違うことを念じるという風に、いつでも方向を修正できる」と語った。
今回の研究は、理化学研究所のBSI－トヨタ連携センター（BTCC）で進められた。トヨタはこの技術に
ついて、車いすだけでなくロボットアームやテレビなどの家電製品も念じるだけで操作できる技術に発展
させられるだろう、と期待している。
研究を主導した崔圭完博士は高麗大を卒業後、韓国情報通信大学で修士、東京工業大で博士
学位を取得した。崔博士は来月から、京都にある世界的な脳研究機関の国際電気通信基礎技術
研究所（ATR）に勤務する予定だ。
◆人間が念じたとおりに動くロボット
韓国科学技術企画評価院（KISTEP）は今年2月、今後10年間にわれわれの生活を大きく変える
10大未来有望技術の一つにこの脳－機械インターフェース技術を選んだ。この技術は、2008年5月に
米国ピッツバーグ大の研究陣がサルを使って実験を行い、注目された。研究陣はサルの脳に電極を
埋め込み、これをロボットアームとつないだ。一方、サルの腕は動かせないようにした。どうにもできない
サルは念じるだけでロボットアームを動かし、おやつを手に取って食べた。韓国では翰林大のシン・ヒョン
チョル教授が犬の脳に電極を埋め込み、念じるだけでコンピューターのモニターに映った点を動かす実験
に成功した。
腕だけではなく、体全体を人間の思い通りに動かすロボットも登場している。日本のATRとホンダは
今年3月、脳波を検出する帽子をかぶった人が、念じるだけで人型ロボット「ASIMO」を操作する様子を
公開した。例えば、右手を上げようと7－9秒間念じると、ASIMOが右手を上げる、というような実験
だった。
URLﾘﾝｸ(www.chosunonline.com)
【国内】脳波で操作する電動車椅子、日本で開発 韓国人研究員も参加し開発をリードした[07/01]
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