09/06/28 10:19:50
核廃絶決議―議員外交の重みが増す 衆院と参院がそれぞれ、「核兵器廃絶に向けた取り組みの
強化を求める決議」を採択した。
唯一の被爆国として日本は先頭に立って行動する責務がある▽政府は核兵器廃絶の動きを世界的
な潮流とすべく努力する▽包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効など、核廃絶・核軍縮・核
不拡散に向けた努力を一層強化すべきだ―。
「核のない世界」をめざすと宣言したオバマ米大統領のプラハ演説を受けて、行動する姿勢を示したい。
今回の決議は、衆院の河野洋平、横路孝弘の正副議長のそういう呼びかけで全会一致で採択した。
文案づくりの過程で民主党は、核攻撃を受けない限り核兵器は使わないという「先制不使用」の文言を盛り込めないか模索した。核保有国がこの原則を受け入れれば、非核国は核攻撃の対象にはならなくなる。
だが、「核抑止力を弱めることになる」と日本政府が否定的なこともあって自民党が難色を示し、断念
したという。結局、決議の中身には、政府の従来の立場から踏み出した点はない。米国の「核の傘」を
めぐる議論も決議には反映されていない。
とはいえ、北朝鮮の核開発をにらんで自民党など一部に核保有論もくすぶる。そんななかで立法府と
して意思を明確に示したことには意義がある。
問題は、これから日本の政治家たちがどういう行動をしていくかだ。
ひとつは、選挙でこの問題を取り上げ、有権者に訴えていくことだろう。例えば、民主党の岡田克也
幹事長は米国に先制不使用を宣言するよう求めるべきだと主張しているし、公明党内にも同様の意見が
ある。これに対して自民党はどう答えるだろうか。
さらに重要なのは、核保有国への働きかけだ。オバマ大統領がめざすCTBT批准には米上院で3分の2
の賛成が必要だが、共和党内に反対論が根強い。同盟国の議員として説得すべきだろう。同時に、米国
にらみで全国人民代表大会での批准承認手続きを先延ばしにしている中国にも、積極的に議員外交を
仕掛けてもらいたい。
決議を呼びかけた河野議長は昨夏、G8下院議長会議を広島で開き、米国のペロシ議長を被爆地に
招くなど、議員として軍縮活動を引っ張ってきた。その河野氏は今期で引退する。
北朝鮮の核やミサイルの実験を受けて敵基地攻撃論も一部に出ている。そういう現状に河野氏ら軍縮
に関心を寄せてきた議員たちの危機感は強い。
対人地雷やクラスター爆弾の禁止条約では、議員がNGOと連携して政府の背中を押し、実現にこぎ
つけた。核軍縮の分野でも、新しい発想と工夫で、河野氏の後を継ぐような議員たちの行動を期待したい。
URLリンク(www.asahi.com)
【北制裁】船舶検査法―海保を軸に現実的対応を 「海上保安庁のみでは対応できない」事態の具体的な内容がない 朝日新聞社説[06/27]
スレリンク(news4plus板)