09/06/28 09:15:41
特許侵害訴訟:シマノに勝った韓国ベンチャー
社員8人の自転車変速機開発メーカー「MBI」
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劉文洙技術顧問(中央)は「会社の柱は研究員」と語り、自分一人で写真を撮ることを強く拒んだ。
劉顧問と息子のユヒョク代表(右端)は、研究員らと共に今年9月から製品を生産し、
世界に進出する予定だ。
忠清北道清州市興徳区に、緑色をした2階建ての仮社屋がある。社員は8人、このうち5人が
研究員というこの会社は、年間売上額が「0」であるのに、16件の特許を持っている。
自転車の変速機を開発している(株)MBIだ。
MBI社は現在、「戦争中」だ。相手は年間当期純利益が5000億ウォン(約380億円)、
社員5500人を擁し、自転車部品メーカーとして世界第1位の座にある日本のシマノ。
劉文洙(ユ・ムンス)技術顧問(55)は、「われわれは現在続いている特許戦争で当然、勝利する」
と語った。劉さんは自転車の変速機を開発してから15年になる。運動器具を納品していた劉さんは
ある日、自転車で通学する生徒らを見た。「外れたチェーンをはめ直そうと苦戦していた。
どうしたら子どもたちが簡単に自転車に乗れるかと悩んだ末、ペダルを逆に踏んでも前に進む
変速機を作ろうと考えた」
劉さんは1994年、研究員3人と「世界産業」を作った。4人は毎日徹夜をした。1カ月に400万から
500万ウォン(現在のレートで約30万-38万円、以下同)が研究費として費やされた。
劉さんは「当時、(現代自の)ポニー1台の値段が400万ウォン台だった。6カ月間すべてを懸けて
研究に没頭した」と語った。ついに劉さんは、韓国製の鉄で作った正逆駆動変速機の開発に成功し、
97年には世界の発明大会に出品した。逆駆動とは、ペダルを逆方向に踏んでも前に進むという
意味だ。劉さんが開発した変速機は、ドイツや米国で準大賞や金賞を受賞し、技術力を認定された。
劉さんは「発明大会で可能性を見いだした」と語った。優れた技術力で新しい変速機を開発すれば
世界最高になれる、というわけだ。劉さんと研究陣は、他社の変速機を大量に購入し、
欠点の研究に乗り出した。「何も怖くなかった。よちよち歩きを始めたばかりの会社が
50年、100年続く会社の製品を追い抜こうとしているというのに」
3年かけて劉さんは、部品を一つの筒に納め、形がすっきりしてチェーンが外れにくい変速機を
開発した。劉さんはこの製品の特許を99年12月に出願し、サンプル2個を持って日本に渡った。
劉さんは「競争相手の日本のメーカーや自転車工場をめぐり、“あなたたちが50年間
改められなかった欠点を改善した”と言って回った」と語った。
劉さんは「競争相手ではあっても、こちらの技術が優れているため、自尊心を捨てて契約を求める
企業もあった」と語った。およそ50年の歴史を誇る業界第4位の自転車部品メーカー、中野鉄工所だ。
劉さんは独占販売権にギャランティーを含め、5000万ドル(約48億円)を手にした。
ほかのメーカーも劉さんにアプローチしてきた。劉さんはその企業と合弁することにし、
設計図面やサンプルを送った。数日後、「合弁はできない」という手紙が送られてきた。
劉さんは「ノウハウと技術をすべて教えてやったのに裏切られた。初めからそのつもりで
アプローチしてきたその会社を相手に、特許侵害と損害賠償訴訟を準備中」と語った。
(>>2以降に続く)
清州=キム・ソンミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2009/06/28 07:41:31
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