09/06/21 08:06:47
(>>1の続き)
≪アニメの殿堂では…≫
振り返って日本はどうか。映画界をみれば日本は故・黒澤明監督から宮崎駿監督まで、
国際的に影響力のある映画人が活躍してきた。映画以外では音楽、ファッション、アニメ、ゲーム。
「クール・ジャパン」(かっこいい日本)のプラスイメージを国際社会に浸透させてきた
クリエーターは多い。ただ、それは国益や国家戦略とはまったく無縁で、政治から自由だからこそ
花開いた才能かもしれない。ゆえに時には、性暴力ゲームや“ヘンタイ”といった負のイメージも
輸出している。
日本政府は今、日本の潜在的な文化発信力に注目して、特にマンガ、アニメなどの
コンテンツ産業推進に乗り出している。その証左が補正予算に117億円が計上されている通称
「アニメの殿堂」(国立メディア芸術総合センター)。作品の保存収集が目的という。
だが、残念ながら、中国の文化発信力育成戦略に対抗するには発想が貧困ではないか。
確かに、政府の後押しで日本版の南京映画を北野武監督に撮ってもらったとしても、
秀作ができるとはかぎらない。国家が文化・芸術に影響を与えるのはなかなか加減が難しい。
だが、中国の宣伝する対日歴史認識を凌駕(りょうが)するような日本イメージを世界に発信できる
若いクリエーターの大量育成に同じ額の予算を投じたら、リターンはもっと大きい気がする。
(ふくしま かおり)