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★邦人2技師の発想応用 台湾の海岸緑化に成功
日本統治時代の台湾で水利事業に尽力した日本人2技師の技術を生かし台湾経済部(経済省)
水利署と甘俊二台湾大名誉教授(71)が海岸の緑化に成功した。
甘教授は「深刻な地球温暖化が進む中、80年前の発想が未来を開きそうだ」と、大きな期待を
寄せている。
2人の技師は、金沢市出身で台南県に烏山頭ダムを建設した八田與一(よいち)氏(1886~
1942年)と、静岡県袋井市出身で、南部の屏東県に地下ダムを築いた鳥居信平(のぶへい)氏
(1883~1946年)。2人が1920~30年代に手がけたダムは、広大な荒れ地を豊かな大地に
変えた実績がある。
豊富な伏流水を農業用水の水源として貯水する地下ダムと、堤防の中核部にだけコンクリートを
使い周りを不浸透性の高い粘土で固める烏山頭ダムは、当時としては最先端の工法で造られた。
沿岸部の緑化に取り組んでいる甘氏は、烏山頭ダム技術の応用で海岸内陸の水田から流れて
くる伏流水をためれば緑化に役立つと判断。台湾北西部の海岸で昨年5月、粘土を主体とした
高さ2メートルの“地下ダム”を砂浜に埋め込み植樹した。
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水やりはしなかったが成長の早い樹木は、60センチほどだったのが1年後には2メートル近くに
成長した。甘氏は「台湾をはぐくんだ日本人の知恵が、砂丘や砂漠の緑化など地球規模で広がる
のも夢ではない」と話している。 【台北=栗田秀之】
ソース:中日新聞 [2009年6月14日朝刊]
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写真:2つのダムの原理を応用して緑化された砂浜(後方)を指さす甘俊二台湾大名誉教授=台湾苗栗県で
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