09/06/12 01:53:30
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今年秋、インドと共同で回収型の人工衛星を使った生命
科学実験を行うことが分かった。日本とインドが共同で宇宙実験をするのは初めて。宇宙大国入りを
目指すインドと協力関係を築くことで、米スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了
後も長期的に科学実験の機会を確保していく狙いがある。
共同実験に使うのは、インド宇宙研究機関(ISRO)が開発した回収カプセル型の実験衛星
「SRE2号」。JAXAの小型実験装置などを搭載し、10月にインド南東部沿岸から打ち上げる。
実験装置にスピルリナという原始的な藻類を入れ、高度約625キロの軌道上で培養。約2週間後、
帰還カプセルを海上で回収する。光合成に与える無重力の影響を遺伝子レベルで分析し、宇宙で
食糧を生産する「植物工場」の可能性などを共同研究する。
JAXAは近くインド側と協力協定を締結し、6月中にも実験装置を輸送。研究には東大、中央大、
茨城大なども参加する。約2年前、インド側から共同実験の提案があり、研究者レベルで検討を続け
ていた。
日本は昨年からISSの実験棟「きぼう」で宇宙実験を始めた。しかし、米国はISSの運用計画を
2015年までしか示しておらず、その後の見通しは不透明だ。ISS計画が打ち切られると、日本は
宇宙実験の場を失うことになる。
回収型衛星はISSと比べて短期間で小規模の実験しかできない半面、低コストで運用しやすい
利点がある。日本では平成14年に1基を打ち上げたが、その後の計画はない。JAXAはインドとの
協力関係を深め、今後も継続的に実験機会を確保したい考えだ。
一方、2015年に有人宇宙飛行を目指すインドは、宇宙での科学実験を強化している。回収型
衛星は07年に1号機を打ち上げ、材料分野の研究を独自に行った。今回の2号機は、日本の先端
技術を習得して生命科学研究を加速させるのが狙いとみられる。
JAXAは中国との間でも来年以降、有人宇宙船「神舟」または回収型衛星を使って、半導体の
結晶成長に関する共同研究を行う方向で協議しており、ISS計画に参加していないアジアの宇宙
新興国との連携を模索する動きが活発化しそうだ。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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