09/06/08 06:56:48
隋の煬帝の屏風に毛沢東の落款
韓国の街並み撮影し「マカオ」?
在韓中国大使館で働く陳俊傑公報官は、4月に終了したSBSドラマ『カインとアベル』を見て、
「憤まんやるかたなかった」と言った。「ドラマの脚本家は考証もせずに作品を書くんですか?ドラマの
中の上海の街並みは2009年の姿ではなく、1960年代のものに近いですね。上海のような最先端
都市をあれほど遅れた地域として描くなんて…。あ然としました」。
輸出なしではほとんどのドラマの採算が合わない時代。「韓流ブームを続かせたいなら、徹底した
時代・背景考証をまず行わなければ」という声が高まっている。日本や中国など近い国に関する描写を
少しでも間違えば、「文化・歴史の歪曲(わいきょく)」と非難されるのはもちろん、頼みの綱である
輸出も難しくなるためだ。
◆安易な設定が歪曲へ
今年3月、中国人民日報の姉妹紙「環球時報」は、「中国を歪曲する韓国ドラマ」という見出しの
記事を掲載した。『カインとアベル』に登場する中国・上海の風景は、まるで60-70年代の農村の
風景のように時代遅れに描かれていたというのが主な内容。同紙は「中国の暴力団が真っ昼間から
銃を撃つシーン、中国の警察がソ・ジソブを水で拷問するシーンもあった。現実ではありえない事」と
書いている。
上海をこのように暗く陰気くさい街に描いたのは、ドラマ上の設定を強調するため。『カインとアベル』は
遺産を狙い兄が弟を殺そうとするというストーリー。制作者サイドは、「死地をさまよう主人公の苦しみを
強調するため」と説明しているが、中国では「考証もせずにドラマを作るのは、どんな言い訳をしたとしても
許せない歪曲」と抗議している。
歴史ドラマも中国メディアに袋だたきされている。SBS時代劇『淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)』では、隋の
煬帝が座っているシーンに、毛沢東の落款が押されている「びょうぶ」が登場するというとんでもないミスを
訂正・編集もせず放送し、批判された。
中国大使館サイドは「中国の王宮の大きさや、中国の監獄の様子をきちんと取材せずに作った歴史
ドラマが多すぎる。“韓国の脚本家をまとめて連れてきて、中国文化や歴史を教える探訪プログラムを
作らなければ”という意見まである」と言った。
◆韓国の街並み撮って「マカオ」
海外輸出で約50億ウォン(約3億8000万円)の収益を上げたMBCドラマ『エデンの東』。マカオロケで
撮影初期から話題を集めたが、ドラマ制作が進むにつれコストを節約しようとしたため、後半部では
韓国の街並みを撮影し、マカオの街並みであるかのように編集し、物議を醸した。
08年12月の放送時、マカオ郊外で起きたという設定のカーチェイスや銃撃シーンが登場したが、その
背景は韓国の冬の風景だった。韓国コンテンツ振興院のキム・ヨンホ副院長は「ドラマの韓流ブームを
終わらせないためには、歴史考証や画面編集にさらに力を入れる必要がある」と話している。
◆歴史を「背景」にするだけではダメ
一部では、「輸出のためにも、韓国の脚本家はアジアを見つめる視角自体を変えなければならない」と
いう声がある。単にマカオを華やかなギャンブルの街として描いたり、香港をクライムードの裏通りで象徴
したりする「うわべ」だけの描写ではなく、歴史を積極的に解釈・理解すべきだという意見だ。韓国人男性
とベトナム人女性の間に生まれた子供たちの問題や、アジア諸国が抱える人権問題をモチーフにした
ドラマなど、アジア的なテーマを取り上げれば、真の共感を得やすいとの指摘もある。
URLリンク(www.chosunonline.com)
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