09/06/06 19:05:45
[オピニオン]外国人が愛した韓国伝統家屋
朝鮮王朝時代の末期、わが国を訪れた欧米人らは、韓国の風景に魅了された。彼らが残した見聞録には、
「ソウルは私がこれまで見たところ、最も美しい都市だ」という賛辞がたびたび登場する。
駐韓イタリア公使を歴任したカルロ・ロセッティーは、1904年にまとめた本の中で、「韓国の家屋は
一様に低めの1階建てであり、2階の庶民自宅は見当たらない」と書いてある。宮殿を除き、こじんまり
した1階建ての家屋が、ソウル全域にわたって広く展開されている様子は、異邦人の目には一風変わった
ように映ったようだ。
◆ソウルの4つの城門を埋め尽くした多くの伝統家屋は、開発の年代を経ながら急速に消えていった。
伝統家屋を壊した跡地には、高層ビルが立ち並んだものの、伝統家屋の縁側に腰掛け、日向ぼっこをしながら
情溢れる会話を交わした過ぎし日の趣はもう目にできない。鐘路(チョンノ)に沿って長く出来上がっていた
ピマッコル通りが、この数年間の大規模な再開発によって、ほとんど消え、ソウル都心においての伝統的な
庶民通りもほぼ消滅の段階に差し掛かっている。
◆ところが、鼓舞的なことは、昌德宮(チャンドクグン)と景福宮(キョンボクグン)との間に位置している
いわば、北村(ブクチョン)の複数の伝統家屋が再び関心を集めていることである。コンクリートでできた
現代式建築文化に飽きた人々が、北村の伝統家屋を買いつけ、暮らしやすいように改造した後入居し、
同地域が伝統的な姿を取り戻している。ソウル市は景福宮の西側にあった旧西村(ソチョン)に対しても、
伝統家屋の保存を計画している。文化財専門家らの間では、景福宮や北村、西村を一つにまとめて、
その全体を世界文化遺産として指定するよう働きかけよう、というアイデアも出ている。
◆35年間、ソウル東小門洞(トンソムンドン)の韓国伝統家屋で暮らしている米国人の
ピーター・バーソロミュー氏は、周辺の再開発事業によって自宅が取り壊される危機に瀕すると、
ほかの住民らと一緒に訴訟を起こし、勝訴した。伝統家屋に住み続きたいので、事業を取り消してほしい
という要請を、1審の裁判所が受け入れたのだ。同氏は、「伝統家屋は木や土、瓦など、自然資材で
建てられていてよい上、どこを見ても美術であり、芸術である」と讃えている。北村の伝統家屋は住宅価格の
高騰を受け、いつの間にかソウルでも金持ちの住む町となった。一部の住民は依然として再開発を好むが、
日増しに伝統価値をより高く評価する世の中になるかもしれない。北村の伝統家屋の復活は、住民同士の対立を
調整しながら伝統家屋を活かせるも見本となるかもしれない。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com
(東亞日報 JUNE 06, 2009 08:21 )
URLリンク(japan.donga.com)