09/06/01 22:28:14
4日は天安門事件から20周年となるが、米国政府が事件当初からその全容を把握していたことを
証する秘密文書がこのほど解禁され、内容が明らかとなった。文書は北京の米国大使館員の目撃
証言として、天安門地区での中国政府の行動を事件直後から明確に「虐殺」と特徴づけていた点など
が注目される。
この文書は当時の先代ブッシュ政権の中国駐在大使ジェームズ・リリー氏から1989年6月4日付で
米国の国務長官や国家安全保障会議あてに送られた。北京の米国大使館からの秘密公電の文書
は「6月3、4日に天安門周辺で起きた出来事の目撃証言」とされ、銃撃と死傷のほとんどが起きた
長安街大通りの状況を明確にすることが目的とされていた。
天安門事件は現在ではその全体がわかっているが、当初は中国政府が民主活動家の殺害や虐殺
をすべて否定したため、ベールに包まれた部分が大きかった。
しかし文書は、当時の北京の米国大使館政治部の中国語が堪能な館員が天安門広場内外に
6月3日夜から4日朝まで密着し動き回って、人民解放軍部隊による民主活動家らへの銃撃の一部
始終を実際に目撃していたことを明らかにした。
目撃した報告者はとくに長安街での2度にわたる軍による銃撃を「大虐殺」あるいは「2回の虐殺」と
特徴づけ、流血の惨事はすべて人民解放軍による非武装の学生や一般民衆、民主主義活動家の
一方的な殺害行為だと総括している。目撃証言は同じ6月4日に公電としてまとめられ、リリー大使の
名により秘密扱いで本国に送られた。
文書は人民解放軍の将兵が腹ばいでライフル銃の狙いを定めて民主活動家たちを狙撃したことや、
機関銃を乱射して抗議デモへの一般参加者までを撃ったことを具体的に伝え、しかもその銃撃で抗議
デモ側に次々に死傷者が出た状況を生々しく報告していた。
米国政府がこの公電を長年、秘密扱いにしてきたのは、事件の解釈をめぐって主張の対立する中国
政府に実情把握の程度や目撃証言による情報収集の方法を知らせないための配慮からだったとみら
れる。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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