09/05/31 19:21:57
中国国内における食品生産の監督システム強化などを盛り込んだ「食品安全法」が1日から施行
される。全国人民代表大会(全人代=国会)で5年間審議し、ようやく可決した法律だ。ギョーザ
中毒事件や汚染粉ミルク事件などを受け、国内外で高まる中国製食品への不信感を払拭したい
との狙いがあるが、「中国の問題は法律の不備が原因ではなく、現場で法律が執行されないことだ」
と新法の実効性を疑問視する声が早くも出ている。
法律では、これまで複数の官庁が持っていた食品生産への監督権限を新設された国家食品安全
委員会に集約させて効率化を図る。添加物の使用規制を厳しくし、違反者に対する罰則も重くする。
また、虚偽の広告への取り締まりを強化、芸能人やスポーツ選手など有名人が出演した広告の食品
に問題が発生した場合、その連帯責任を負わなければならないと明記した。これについては一部の
芸能関係者から「やりすぎだ」との批判があがっており、食品安全問題に詳しい中国人弁護士も
「世界基準から見ても厳しい」と話している。
しかし、中国には1995年に成立した「食品衛生法」がすでにあり、これまでに衛生省などが制定した
食の安全に関する規定は100以上、衛生基準は500以上にものぼる。この分野で法律の空白が
あったわけではなく、きちんと執行されていなかったことが一連の不祥事が発生した原因だと指摘される。
例えば、昨年9月に発覚した汚染粉ミルク事件。有害物質メラミンの大量混入が半ば公然と行われ
ていたにも関わらず、問題企業は毎年のように生産過程を監督する政府機関から表彰を受けていた。
「官業の癒着構造により、法律が機能していないことが、悲劇をもたらした原因だ」と、中国メディアも
事件後に強く批判した。
法律はまた、「問題が発生した場合、速やかな情報公開」を企業に求めているが、報道の自由のない
中国でどこまで徹底されるのか疑問だ。さらに、中国には少なくとも数十万の無認可の小規模な食品
企業があるとされ、地方の監督当局がすべてをカバーすることなどとても不可能との指摘もされている。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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