09/05/29 20:10:24
北の核実験に関して
二十五日に北朝鮮は核実験を行った。
昨日二十六日の衆議院本会議で、「北朝鮮核実験実施に対する抗議決議」が採択された。
この度の核実験は、二〇〇六年十月九日以来二回目である。一回、二回の核実験とも、ミサ
イル発射実験に続いて行われている。ミサイルと核、両者はセットである。四月のミサイル
発射の後、元アメリカCIAの幹部は、数ヶ月以内に一回目の核実験と同様に北は核実験を
するだろうと私に語った。
このように、ミサイルと核がセットであるということは、当たり前のことながら、北朝鮮は
ミサイルの先端に核を載せるということである。現在、既に実戦配備されているノドンミサ
イルの先端に核が搭載され、我が国領土はほぼ全てノドンミサイルの射程に入っている。し
かも、そのノドンの発射のスイッチを握っているのが心身の状況衰えて定かならない独裁者
である。
この事態、卑しくも先憂後楽を以て国政に臨まねばならない者であれば、身の毛がよだつで
はないか。
ところで、二十五日の核実験に先立つミサイル発射に関して、我が国衆議院は、三月三十一日、
「北朝鮮による飛翔体発射の自制を求める決議」をしている。
この決議は、北朝鮮のミサイルを「飛翔体」というものだから、ミサイル発射を禁じた国連
決議や日朝平壌宣言に反していると指摘することもできない代物で、自制を求めても無駄な
相手に自制を求めるものであった。これについては、本時事通信四百十七号「北朝鮮の弾道
ミサイルは『飛翔体』、だとよ」で述べた。
そこで、昨日の衆議院決議案であるが、はじめは「核廃絶決議案」であった。
当日午前にこの決議案を見たとき、先の「飛翔体自制決議」と同様、北朝鮮に見くびられ
周辺国から笑われるものとして本会議欠席による反対を決めた。拳銃をぶっぱなしている
ならず者に対して警察官が、「私たちは拳銃を棄てていますから、貴方たちも棄ててください」
と言っているような決議案だったからだ。
しかし、さすがに自民党内で異論が出たらしい。本会議開会時間が予定より三十分遅れ、
その間練り直された決議案は「抗議決議案」に替わっており、そこでは、この北朝鮮の核実験が
「国連決議や六者会合共同声明、更には日朝平壌宣言に明確に反している」旨、明確に述べ
られていた。
そして「政府は、北朝鮮に対して制裁を強めるなど断固たる措置をとるとともに、拉致問題、
核、ミサイル等、北朝鮮との諸懸案を解決すべく、国際社会の理解と協力を得つつ、外交努力を
倍加すべきである」と結ばれている。よって、私は決議に賛同した。
そこで、決議に言う「断固たる措置」とは何か。また如何にして「国際社会の理解と協力を
得る」のか。この点について、述べておきたい。
>>2以降に続きます
西村眞吾の時事通信(公式ブログ) 2009/05/27:
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