09/05/26 00:44:54
オバマ米大統領の演説で核廃絶の機運が高まる世界的な動きに、冷や水を浴びせた北朝鮮の地下核実験。
「全人類への挑戦だ」「核に頼るのは誤り」。かつて焦土と化した広島、長崎からは激しい憤りの声が相次いだ。
核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で演説した広島市の秋葉忠利あきば・ただとし市長は
「被爆地の核兵器廃絶への願いを踏みにじる暴挙で、強い憤りを覚える」と厳しい口調で北朝鮮を非難。
「核兵器のない世界」を表明したオバマ米大統領の演説からわずか一カ月半後の核実験に
「こうした挑発的行動が、ほかの核保有国や保有願望国の核開発を加速させる」と懸念を表明した。
準備委に合わせ国連本部でスピーチした被爆者の岡田恵美子おかだ・えみこさん(72)=広島市東区=は
「大統領演説で、長いトンネルに光が差したように感じていたのに…。がっかりすると同時に怒りでいっぱい」と話した。
「金正日(総書記)に原爆資料館を見てみろと言いたい」と語気を強めたのは、被爆体験を語り続ける細川浩史
ほそかわ・こうじさん(81)=同市中区。修学旅行生らでにぎわう同市中区の平和記念公園で
「自分の頭上に落ちないと分からないかもしれないが、そのときでは遅い」。
「世界核安全サミット」の地元開催を呼び掛ける長崎市の田上富久たうえ・とみひさ市長も
「核廃絶の流れが広がるタイミングを狙った悪意を感じる。国際社会への挑発で、核をなくさない限り、
こうしたことが繰り返される」と述べ、北朝鮮に抗議文を送ることを明らかにした。
「これを契機に日本で核武装論が出てくることに気を付けなければ」と懸念するのは長崎原爆被災者協議会の
山田拓民やまだ・ひろたみ事務局長(77)。長崎原爆遺族会の正林克記まさばやし・かつき会長(70)は
「北朝鮮が孤立しない方法を考えなければいけない」と述べた。
原爆症認定訴訟をめぐり、民主党などに支援の申し入れを行った日本被爆者団体協議会の田中熙巳
たなか・てるみ事務局長(77)は「核兵器など使えるわけがない。大統領の発言以来、核廃絶の実現に
向けた流れが出来上がりつつあったのに、本当に残念だ」と無念さをにじませた。
中国新聞 核廃絶の機運に冷や水 広島・長崎の被爆地の憤り、激しく '09/5/25
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