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一方、裁判でも認められなかったケースもある。06年11月の判例では、メキシコ人夫婦
と子どもが難民申請を出したが認められなかった。「メキシコでは健康保険がない、仕事も
ない、子どもの教育も満足に出来ない」ということは、難民申請が認められる理由にはなら
なかった。
この家族はその後、2度目の難民申請を提出した。「子どもが病気でメキシコでは治せず、
カナダなら治療ができるために残りたい」という理由だったが、認められることはなかった。
当局の判断は、子どもの病状は一度目の申請の時点から変わっておらず、新たな事情がない
のに何度も難民申請を出してはならないということだった。難民申請をする理由は初回の
申請時に明らかにする必要があるという。
最近のカナダの移民政策は、以前に比べ、カナダが必要とする職業資格や経験を持つ外国人
は入国しやすくなった面がある。一方で、投資移住に必要な投資金額が上がったり、資格を
持たない外国人は移住が難しくなった面もある。また、難民・移民認定の担当官が減った
ために、以前よりも審査に時間がかかるということもあるそうだ。
中込恵子(なかごみ けいこ)さんのプロフィル
東京都出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。筆記具メーカーや外資系化粧品会社
勤務を経て、1989年カナダ移住。日本語系新聞社勤務後、フリーライターに。2001年
よりウェブショップFromwestを設立し、子ども向け語学教材の輸出を開始。2002年
よりカスタムメードのカナダ親子ステイ・アレンジ業務をはじめる。1995年&1996年
生まれのボーイズのママ。