09/05/09 12:05:04
■「日本は歴史教科書の検証方法を変えるべき」
日本政府が歴史教科書を検証する方法を変えないかぎり、教科書歪曲事態は繰り返されるであろう、
との主張が提起された。
北東アジア歴史財団のナム・サング研究委員は、12日にソウル市内の北東アジア歴史財団大会議
室で開かれる「2009年『つくる会』(新しい歴史教科書をつくる会)中学歴史教科書詳細分析」学術大会
に先立って9日に事前配布した「『つくる会』版教科書の検定実態に現われた日本教科書検定制度の
問題点」を通じて、このように主張した。
ナム研究委員は、「教科書検定の過程で検定意見書を作成するなどの核心的役割をしている教科書
調査官に、文部科学省が自らの意に沿う人を任命できるようになっている。それにとどまらず、教科書
歴史記述に関して近隣諸国民の歴史感情に配慮すべきとした所謂『近隣諸国条項』を否定するなどの
偏向した歴史認識を持った人物が調査官になったときもある」として、現行検証方法の問題点を指摘した。
更に、「検定によって偏向記述が是正された側面もあるが、現在のような個別記述の適合性のみを判
断する検定方法では、教科書の歴史歪曲の阻止に限界がある。問題は個別事実の歪曲にあるのでは
なく、客観的に見える事実を、愛国心を強調して自国の歴史を美化する方向に編集する点にある」と付
け加えた。
また、「文部省は、『近隣諸国条項』を考慮して(教科書を)検定したと主張するが、具体的に同条項を
どのように適用したのかを検証できるシステムが無い点も日本の検定システムの盲点だ」と指摘して、
歴史歪曲問題を解決するためには日本政府が新しい検証方法を考案すべきだと強調した。
ヨン・ミンス研究委員は、基調講演文「『新編・新しい歴史教科書』の歴史観と今後の展望」のなかで、
「自由社版教科書に現われた歴史観は、天皇中心史観と侵略主義史観、独善的文化優越史観に分
けることができる」と指摘したうえで、「日本の独善的文化優越主義に潜む隠蔽主義は、日本の生徒
たちの歴史的批判精神と侵略戦争に対する反省心を麻痺させる結果をもたらすであろう」との憂慮を
示した。
教科書を時代別に分けて行なった分析では、自由社版が2005年の扶桑社版とほとんど同じだという
指摘も提起された。自由社版教科書の古代史部分を研究した同財団のイ・ジェソク研究委員は、「古
代史関連記述部分では楽浪郡を韓国古代史の出発点としており、古朝鮮と渤海についてはまったく
言及しないなど、基本的に2005年度の扶桑社版教科書の内容をほとんどそのまま踏襲している」と
指摘した。また近世史を分析したソ・ジョンジン研究委員も、▲韓国併合を合理化している点、▲植民
地支配を近代化と見ている点、▲慰安婦問題を隠蔽している点などから見て、扶桑社版に比べて改善
した点が無いと主張した。
このように自由社版の歴史歪曲に歯止めをかける体系的検証システムも、扶桑社版から改善した点
も無く、自由社版を契機に日本の歴史歪曲傾向が一層強まるだろうとの指摘も続いた。
「幕末・明治前期記述の特徴と問題点」を分析した同財団のイ・ウォヌ研究委員も、「自由社版教科書
は、特定の歴史認識に沿った歴史的事実の強調はあるものの、事実関係自体の間違いはほとんど
無い方だ。教科書として他社の教科書との競争力を備えているとの感じを強く受けた。(このように)時
間が経つにつれ教科書としての様相を備えてきており、日本社会の右傾化と噛み合って、長期的には
採択率が増加すると思われる」と予想した。<後略>
▽ソース:聯合ニュース/Yahoo!Koreaニュース(韓国語)(2009/05/09 07:00)
URLリンク(www.yonhapnews.co.kr)
URLリンク(kr.news.yahoo.com)