09/05/05 02:13:01
回復じわり「特需」再び? 対馬の韓国人観光客 島ぐるみの値下げ奏功
先行きになお危うさも
昨秋の世界同時不況で韓国人観光客が激減した対馬市に、再びにぎわいが
戻りつつある。連休中は韓国人客で満室という宿泊施設も出現。地元では早くも
「韓国特需の再来」を期待する声が出ているが、宿泊料金などの引き下げで
しのいでいる側面も強い。
◆背に腹代えられず
「料金値下げが効いた。客足が戻り始めた」。同市厳原町にあるホテルの
男性マネジャー(32)にも、笑顔が戻っていた。
100人が宿泊できる同ホテルは、昨秋まで月平均約1000人の韓国人観光客が
宿泊していた。しかし、ウォン安が進んだ昨年11月以降、平日はがら空き、
週末も20人程度という状況に陥っていた。
「背に腹は代えられない」と、今年に入って、韓国人向けに1人1泊4600円と
していた宿泊料金を3500円に値下げ。韓国旅行社の反応は良く、同国でも
連休中の5月初めは50の客室がすべて埋まり、年末まで月平均600人の予約が
入るまで持ち直した。
◆「韓国頼み」根強く
2008年に対馬を訪れた韓国人観光客は、前年を約7000人上回る約7万2000人。
しかし、右肩上がりの増加傾向は世界同時不況で一変し、11月以降は対前年比
約50%にまで急落した。
今年3月ごろまでに、全島的に宿泊料金やバス料金などの値下げの足並みが
そろい、ウォン安も一段落すると、4月の落ち込み幅は対前年比40%に回復。
5月も同30%台が見込まれ、徐々に上昇軌道を描きつつある。
離島の対馬にとって、割高な交通運賃や知名度の低さなどの固有のハンディゆえに、
国内客の誘致はままならない。一方、韓国人客に対しては「最も手ごろな外国旅行」
という強みがある。県対馬振興局のまとめでは、韓国人観光客の07年の島内
消費額は21億円以上と推計され、韓国人観光客に寄せる期待感は大きい。
韓国人釣り客誘致のパイオニア的存在で、同市美津島町で民宿を経営する
神宮安実さん(61)は「回復傾向がこのまま続いてほしい」と願う。
>>2-5へつづく
ソース:西日本新聞
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