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朝鮮近現代史を歩く 偏見はどう助長されたか
2009-04-29
在日同胞史は韓国が日本に併合された1910年を起点とするのが、研究者の中でも定説だった。異を唱えたのが在日歴史研究家の
故金英達氏で、根拠として1899年の単純労働者の入国禁止措置の対象は中国人で、朝鮮人は適用対象外だと主張した。
事実、1905年の乙巳保護条約によってすでに植民地化した朝鮮から100人の労働者が連行された。日本の韓半島や大陸への侵攻に
ともない、兵士と物資を大量かつ迅速に前線に運ぶ山陰線の鉄道工事に従事させられた。
しかも、当時の神戸新聞などは、「韓国人暴徒を輸入」と扇情的な記事を掲載し、これら労働者を「奇観、無気力、怠惰」
と書きたて、侮蔑の対象としての朝鮮人観を日本人に植えつけた。野蛮な朝鮮人が日本人化するにつれて、文明を身につけたとも
書いた。偏見を植え付ける役割においても、まさに「ペンは剣よりも強し」である。
20年代には「鮮人」=犯罪者という認識が報道で広められて定着したが、42年に朝鮮人の徴兵制度実施が閣議決定されると、
「融和、志願兵」という記事が踊るようになった。このような大新聞のご都合主義とは違い、工事で犠牲になった同胞を慰霊する碑や
墓を日本人が建て、そこでは今も国籍を超えた人と人との情が行き交っているというのがせめてもの救いである。
(太田修著、思文閣出版1900円+税)
℡075(751)1781
(2009.4.29 民団新聞)
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