09/04/24 18:17:50
【ニューヨーク小倉孝保】北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け国連安全保障理事会の対北朝鮮
制裁委員会は23日、朝鮮鉱業開発貿易会社など日米両国が提案した3組織の資産凍結で
ほぼ合意した。同委員会は24日午前(日本時間同日夜)、資産凍結を最終決定する見込み。
北朝鮮に対しては日米などが独自に資産の凍結を実施してきたが、国連による資産凍結は
初めてで、国際社会の強い意思表示になるのは確実だ。
安保理外交筋によると、資産凍結対象になるのは、同社のほかタンチョン商業銀行など。
23日までの交渉で、強い制裁に消極的な中露も3組織の資産凍結を了解したという。リビア
とベトナムは、「対象組織に関する情報を精査したい」としているため24日も協議が行わ
れる。しかし、同委員会委員長のイルキン・トルコ大使は23日の協議後、「進展があった」
と語っており、24日に最終合意するのはほぼ確実だ。
5日の北朝鮮による弾道ミサイル発射で、安保理は先日、北朝鮮の行為を安保理決議1718
違反として非難する議長声明を採択した。同声明は、決議1718で規定した制裁の徹底を
決め、具体的には24日までに制裁委が資産凍結の対象リストを作成し、もしも、24日
までにリストができない場合、安保理が30日までにリストを作成することになっていた。
議長声明採択後、日米英3カ国がそれぞれ、資産を凍結すべき組織のリストを制裁委に提出。
日本は14組織、米国は11組織を挙げたが、今回ほぼ合意した3組織は日米両国のリスト
にある。
制裁委は、06年10月に採択された決議1718で設置され、安保理理事国(15カ国)
で構成。決定は全会一致が原則になっているため一カ国でも反対があった場合、資産凍結
リストを作成することができない。しかし、安保理では、常任理事国が拒否権を行使せず、
9カ国以上の支持があれば決定ができるため、リビア、ベトナムが資産凍結を支持しない
場合でも、最終的に安保理が資産凍結を決定できる。
制裁委が3組織の資産凍結を決めた場合、安保理の正式な決定となり、国連全加盟国が実施
義務を負うことになる。
毎日新聞東京夕刊 2009/04/24
URLリンク(mainichi.jp)