09/04/24 18:03:43
[東京 24日 ロイター] サムスン電子が予想を上回る決算を発表し、電子部品株の
株価に刺激を与えた。世界的な景気悪化から国内電子部品メーカーは厳しい在庫調整を余儀
なくされていたが、ここにきて受注に回復の兆しが出て底打ち機運が台頭。
サムスンの決算が国内メーカーの上向きを示す材料として注目されている。
サムスン電子が24日発表した第1・四半期決算は72%の減益だった。半導体や液晶ディ
スプレー(LCD)事業の不振が響いたものの、携帯電話端末の販売好調により、市場予想
は大きく上回った。
純損益は6190億ウォン(4億5810万ドル)の黒字。前年同期は2兆1900億ウォン
の黒字だった。ロイターがまとめたアナリスト12人の利益予想の平均は1490億ウォン
の黒字。前期は220億ウォンの赤字だった。
この結果について、市場では「半導体や液晶など全体的に依然として厳しい印象はあるが、
(サムソンは)予想を上回ったことでポジティブであることは確か。受注が上向き出した国内
メーカーの株価にとって刺激材料になる」(準大手証券情報担当者)との見方が出ている。
実際、24日の株式市場では、アルプス電気(6770.T: 株価, ニュース, レポート)が一時
ストップ高に買われたほか、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)やTDK(6762.T
: 株価, ニュース, レポート)などが年初来高値を更新。23日にローム(6963.OS: 株価,
ニュース, レポート)が2009年3月期の業績見通しについて、連結営業利益を従来予想の
ゼロから105億円に上方修正したことも、電子部品株にとって明るい材料になった。当然
のことながらロームも高い。
市場関係者によると「アルプス電気は子会社のアルパイン(6816.T: 株価, ニュース, レポート)
がカーナビ製造の再編思惑といった材料もあったが、サムスンの好決算も買い材料になった。
足元では、家電製品購入への補助金などの政策によって中国で家電販売が拡大するなど、
電子部品業界を取り巻く環境は好転しており、株価もこうした点を織り込みにかかっている」
(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。
足元の電子部品メーカーの受注動向は、底打ちが読める状態となっている。大和総研が各社
にヒアリングしてまとめた月次受注・売上の前月比増減別社数推移によると、今年に入って
から1月がプラス2社、マイナス15社、2月がプラス7社、マイナス10社、3月がプラス
12社、マイナス2社─と前月比プラスとなる企業が増加。昨年秋から続いていた在庫
調整に一巡が感じられるようになった。
こうした状況について三菱UFJ証券・電子部品担当アナリストの内野晃彦氏は「受注動向
から在庫調整が一巡。国内メーカーは最悪期を脱したとみることができる。韓国サムスンは、
携帯電話の好調などで日本に先がけて回復が見込めるようになったが、国内メーカーも上向
くことが想定できよう」とした上で「底を打ったが、今後は回復テンポがどうなるかが注目
点となる。実需がいかについているかなど、これから各社が発表する今期の見通しを見極め
たい」とコメントしていた。
ロイター 2009/04/24 14:00
URLリンク(jp.reuters.com)
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