09/04/21 20:55:44
- 上海万博開幕まで１年 期待と焦りが交錯 消えぬ金融危機の影 -
２０１０年５月１日に開幕する「上海国際博覧会」（上海万博）まで１年あまり。万博を中国の
大衆に向けた「ショーケース」と位置づける日本のパビリオン建設は順調だ。だが、世界的な
金融危機のあおりで民間企業からの資金集めに苦しむ米国など、着工はおろか正式契約の
めどすら立たないパビリオンも少なくない。関係者の間では期待と焦りが交錯している。
（上海 河崎真澄）
■「優等生」日本
上海万博に最も協力的な国が「日本」だ。官民挙げて１３０億円を投じ出展する「日本館」の
今年２月の起工式には、福田康夫前首相も出席した。パビリオンは環境に配慮したドーム形。
愛称は公募で中国語が「紫蚕島」、日本語は「かいこじま」と決まった。トヨタ自動車など
スポンサーからの資金は６０億円を超える。海外パビリオンの中で最大の６０００平方メートル
の敷地面積を誇り、年内完成に向け工事が着々と進む。
日本はさらに、企業が主体の「日本産業館」と、大阪府と大阪市による地方自治体としての
出展もあり、最多となる３館の正式契約が済んだ。万博事務局側は３５０万人と弾く海外から
の入場者のうち、１００万人以上が日本から訪れると期待する。万博事務局の朱咏雷副局長も
「博覧会を過去５回成功させた日本の役割は大きい」と話す。
万博には２３１カ国・国際機関が出展を表明している。しかし、日本のような「優等生」はまれだ。
■米国館は断念？
「着工予定など何も聞かされていない」－。米国館などの建設予定地で整地作業をしていた
関係者は口をそろえる。建物の骨格が見えるところまで建設が進んでいるのは中国館や、
５０００人収容の大型ホールをもつ万博センターなど中核施設が大半だ。整地された区画は
まだ広々としている。
２１日付の上海紙、新聞晨報によると、独自にパビリオンを建設する約４０カ国のうち、着工済
みは１２カ国にすぎない。「米国館は建設を断念するのではないか」との情報も流れ、事務局も
米国などに関する質問には歯切れが悪い。
成長市場として中国に注目する外国企業にとって、万博参加は絶好のＰＲの場だ。ただ、米企業
にとっては二の足を踏む側面もあるようだ。日本の場合、資金は政府も企業も出す。米国はというと、
政府からの資金はなく企業側が全額を負担する。また、米企業には、中国市場にはあくまで独自
にアプローチしたいという戦略が本来あり、各企業が“同居”し独自のＰＲ色が薄まりかねない
「米国館」にはメリットを感じにくい。
万博関係者は「５月にも契約し着工しないと、開幕に間に合わない」と話し、焦りを募らせている。
「より良い都市、より良い生活」がテーマの上海万博は、６カ月間の期間中に７０００万人の入場者
が見込まれている。これは万博史上最高だった大阪万博（１９７０年）の約６４００万人を上回る。
中国にとり、北京五輪に続く国威発揚の場として失敗は許されない。
上海万博会場の目抜き通りとなる「世博軸」と呼ばれるプロムナードの建設現場で働く作業員。
会場整備そのものは全体の３０％以上が完成している（河崎真澄撮影）
URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
ソース ： 産経 2009.4.21 19:25
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