09/04/17 16:49:29
韓国はIT(情報技術)先進国と言われてきた。光通信の普及率、人口に占めるインターネット
加入者の比率は世界1位だ。昨年3月の貿易黒字の90%はIT関連製品の輸出によるものだった。
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最近はすっかり活気がなくなったデジタル団地
だが、「IT先進国」韓国のIT基盤は意外にもそれほど強くはなかったようだ。ベンチャー
精神で武装しなければならないデジタル団地*は、今や活気を失っている。IT産業の半分を
占めるソフトウエア産業も危うい。にもかかわらず、現在の李明博(イ・ミョンバク)政権
はこうした業界の窮状には目を向ける気配すらない。
*1960年代に「国家産業団地」に指定され、当初は繊維・縫製関連会社が集まっていたが、
政府の「産業団地の先端化計画」により2000年代半ばからIT関連企業が集まるベンチャー
団地として急速な成長を遂げた。
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ソフト開発は「4D人生」
従業員30人のある医療関連ベンチャーに2000年に入社したソフトウエア開発者のK氏。入社
以来、毎年100日以上も残業し、ほぼ毎日夜9時過ぎまでソフト開発に取り組んできた。週末
出勤も珍しくない。しかし、K氏が今、最も苦しいと感じるのは成功する希望が全く見えない
からだ。
「この会社に入った時は希望に燃えていた。独創的なソフトさえ開発すれば、大金も手にで
きると信じていた。職場も活気に満ちていたし、残業も快く受け入れてきた。でも、そんな
希望はもう消えてしまった」とK氏は語る。
ソフトウエアの開発者たちは自分たちの人生を「4D人生」と呼ぶ。人が避ける職業を指す3D
(Dirty=汚い、Dangerous=危険な、 Difficult=厳しい)職場に、「夢のない」という意味の
「Dreamless」をつけ加えた造語だ。
給料も高くない。K氏の年俸は約3000万ウォン(約225万円)。これはいい方で、ある情報サ
イトによると、韓国を代表するソフト開発企業ハングル・アンド・コンピュータとアンチョ
ルス研究所の初任給は2100万ウォン(約157万円)に過ぎない。外資系の韓国法人サン・マイ
クロシステムズやデルインターナショナルも2200万ウォンだ。プログラマーの年俸は、経験
が長くても4000万ウォン(約300万円)を超えることはない。
定年も早い。業界では35歳が事実上の定年とされている。変化の速い業界なので、35歳を過
ぎると新たな変化には適応できないとの先入観があるためだ。
K氏は「政府は支援すると言っているが、実際には何もしていない」と不満を漏らす。「ベン
チャーは資本はなく、技術だけで起業する。だが、政府はベンチャーに対して何の関心も示
さない。投資支援など望んでいないが、少なくともソフト開発は重要な産業であるとの認識
は持ってほしい。政府は建設といった従来の産業ばかり重視し、ソフトウエア産業を軽視し
ている」と言う。
世界のソフトウエアの市場規模は7400億ドルと言われ、半導体(約2500億ドル)よりはるかに
大きい。だが、ソフトウエア産業におけるグローバル企業上位100社に韓国のソフト企業は
1社も入っていない。
大企業に対して不満を抱くソフト開発者も多い。開発の価値を認めず、安値でばかり発注を
してくるからだ
>>2以降に続きます
日経BPオンライン 2009/04/17
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