09/04/11 20:30:01
一人っ子政策の見直しを求める動き 中国社会不安要素に
【北京=矢板明夫】中国で1970年代末から実施されている「一人っ子政策」の撤廃を
求める動きが、顕著になりつつある。3月の全国人民代表大会(全人代=国会)では
人民大学学長の紀宝成代表が、第2子までの承認を盛り込んだ「生育政策の早期調整
に関する提案」を提出し話題を集めた。多くの学者が賛成を表明し世論調査では圧倒的
支持を集めている。
紀氏は広東紙「南方周末」に対し、一人っ子政策が人口抑制で一定の役割を果たした
ことを認める一方、「早く撤廃しなければ人口のバランスが大きく崩れ、近い将来、後悔
することになる」と語っている。
同政策の実施で中国の人口高齢化は加速し、労働力は不足しつつある。紀氏によれば、
10年後には20~24歳の人口は半減し、年金などの制度が未整備の現状では、大きな
社会不安要素を抱えることになるという。
また、農村部では男尊女卑が現存しており、女子の堕胎は後を絶たず、新生児の男女比
は120対100を超えている。紀氏は昨年の四川大地震で、多くの家庭が唯一の子供を
失ったことにも触れ、「私たちは家庭という社会を構成する基本単位を非常に脆弱(ぜいじやく)
なものにしている」と強調している。
北京大学の穆光宗教授ら学者の多くは、紀氏の主張への支持を表明。各サイトの世論調査
では75%以上の市民が「2人以上の子供を産みたい」と答えている。
中国政府が「基本的国策」と位置づける一人っ子政策を全人代代表が正面から批判する
ことは珍しい。今回の提案を受け、市民の間では政策改正への期待が確実に高まっている。
ソース : 産経 2009.4.11 19:57
URLリンク(sankei.jp.msn.com)