09/04/13 22:54:00 wM2ft7k5
不法入国・不法滞在に係る諸問題(警察庁)
URLリンク(www.npa.go.jp)
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多発した集団密航事件
密航事件については、前述したとおり、昭和21年には朝鮮半島からの不法入国者が後を絶たず、1万7、000人以上を
検挙しました。また25年の朝鮮動乱とこれに続く韓国の不安定な国内情勢により、30年代前半までは、韓国からの
密航事犯が多く、おおむね50年ころまで続いていたものの、韓国経済の復興、日韓国交の正常化等によって減少しました。
これと相前後して、インドシナ難民であるボートピープルの流出が始まり、その受け入れを1万人枠を超えて推進した結果、
これに乗じた偽装難民事件がみられるようになりました。
平成元年5月、長崎県に107人の偽装ボートピープルを乗せた船が漂着したのを皮切りに、偽装難民事件が多発し、
同年10月までに22件2、804人が漂着し、調査の結果、これらのほとんどは難民を偽装した中国人又は中国に居住する
ベトナム華僑であることが分かり、不法入国者として退去強制されました。
警察庁では、2年から、警察及び海上保安庁が検挙した集団密航事件の検挙件数・人員の統計を取り始め、
2年には1件15人の検挙でしたが、4年には急増し、9年には73件1、360人を検挙しました。
集団密航者の大半は中国人で、こうした集団密航事件の多くには「蛇頭」と呼ばれる中国の密航請負組織の
介在がみられました。
密航請負組織は、相当の請負料を目的として、送り出し国での密航者の勧誘、引率、搬送、船舶や偽造旅券の
調達、行き先国での密航者の隠匿、不法就労の斡旋等を分業により行い、集団密航事件多発の大きな要因となっています。
また、請負料の取り立てをめぐって、殺人等の凶悪事件を引き起こしたり、受入組織を我が国国内に構築して広域的に活動し、
一部では暴力団員との連携もみられました。
船舶による集団密航事件は、9年をピークに減少傾向となり、密航用に仕立てた船舶で大量の密航者を搬送する
手法は影を潜め、より発見されにくい少人数による密航、コンテナに潜伏する密航等が中心となりつつあり、犯行の巧妙化がみられます。
一方、偽変造旅券を使用した不法入国事案については、昭和50年以前にはほとんどみられませんでしたが、
最近では、偽変造技術の発達等により、航空機を利用して入国審査時に偽変造旅券の行使を看破されずに
不法入国し、不法在留する外国人の検挙が急増する傾向にあります。