09/04/05 19:31:15
今年に入って日本で最も売れている携帯電話は、2月に発売され、現在販売台数38万台に達し
ている「amadana N‐04A」という機種だ。同機種をデザインしたのは元在日韓国人でデザイ
ナー兼建築家の鄭秀和(テイ・シュウワ)氏。日本初のデザインホテル「クラスカ」や現在
建築中の台湾のドーム球場「バタフライ・フィールド」、原宿のバーバリー・ショップを
設計した有名デザイナーだ。同氏は最近、amadanaの韓国進出を記念し来韓した。同氏がクリ
エーティブディレクターを務めているamadanaは、日本の高級デザイン家電ブランドだ。
「父親が祖国で成し得なかった夢を実現したい」。同氏は悲壮な表情で「父親の母国」に進
出した感想を述べた。父親の鄭鐘泰(チョン・ジョンテ)氏は東大建築学部を卒業した。
同じ学部出身の建築家、金寿根(キム・スグン)と共同で、韓国国会議事堂の設計公募に
参加したが、在日韓国人という理由で制約を受け、韓国での活動に見切りを付けた。
自身のルーツを隠し、活動する多くの在日韓国人建築家とは異なり、同氏は韓国式の漢字名
にこだわっている。日本で活動する有名ミュージシャンで実兄の鄭東和(テイ・トウワ)も
同様だ。「もともと名字は桐本でした。小学2年のとき、父親が何の説明もなく、これから姓
が鄭に変わると宣告したんです。うそのようにあっという間に姓が変わりました」
そのときから名前を鄭秀和と書き、日本式の発音に従い、「テイ・シュウワ」とした。しか
し昨年までは韓国籍だったため、パスポートの英文名が「Chung Su Hwa(チョン・スフ
ァ)」と韓国式になっていた。「外国に出張に行くたびに『チョン・スファ』と『テイ・シ
ュウワ』が同一人物であることを説明しなければならなかった。20歳のときに韓国を訪問し
たときは、兵役逃れと思われ、空港で取り調べられたこともあった」。結局、「日常生活が
不便」という理由で昨年日本国籍を取得した。
鄭秀和氏は韓国と日本のいずれにも属さない存在としての不安を自由な想像力に昇華させた。
同氏が制作した計算機やリモコン、筆記道具などを見ると、無駄のないすっきりとした日本
的なデザイン性が感じられる。だが日本では「韓国の李朝白磁のようだ」という評価を受け
ている。自身がデザインしたホテルには、韓国から持ち込んだ米びつや四方卓子などを置い
た。「具合の悪いときや元気がないときは、母親がサムゲタン(参鶏湯=若鶏の腹にもち
米・高麗ニンジン・ナツメなどを詰め煮込んだスープ)を作ってくれました。韓国的な情緒
が、無意識のうちにデザインに表れているかもしれません」
ニックネームは、仕事が速いことから「スピード・マスター」。「韓国の何でも“早く早く”
という気質が流れているようです。サムスンやLGといった世界的な企業と仕事をしてみたい
ですね」。同氏はインタビューを終えると、つたない韓国語で「よろしくお願いします」と
書かれた小さなカードを差し出した。
キム・ミリ記者
朝鮮日報 2009/04/05 09:02:41
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鄭秀和氏は「故国のメディアに初デビュー」と言い、胸ポケットにハンカチを挿して現れた
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