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川越立てこもり捜査 銃の管理責任を解明 ~底 流~
組長起訴 警察庁が評価
川越市で昨年6月に発生した発砲・立てこもり事件。県警は、事件に使われた拳銃が
元々は東京・歌舞伎町の暴力団が管理していたことを突き止め、この拳銃にかかわった
組長ら計9人を逮捕した。約9か月間に及ぶ捜査の足取りを追った。(村山誠)
2008年6月3日午前11時43分、川越市内の住宅街に銃声が響いた。約8時間半に
わたり車内に立てこもった男(当時55歳)は自分で頭を撃ち抜き死亡。現場に残された
フィリピン製回転式密造銃など拳銃3丁の入手先の捜査はほぼ不可能と思われた。
しかし、男の携帯電話に残されていた「5月31日 ○○と駅で会い、38口径回転式銃を購入」
とのメモが情勢を一変させた。「必ず入手経路を解明してみせる」。捜査員らは奮い立った。
県警は翌7月、男に拳銃を譲り渡したとして、メールから割り出した指定暴力団住吉会系
暴力団幹部(47)を逮捕。幹部は当初、否認を続けたが、連日の取り調べに
「渋谷の飲食店に取りに行った」と自白した。
2か月後、県警はこの飲食店の経営者(59)を拳銃所持容疑で逮捕し、「知り合いの組員から保管を
頼まれた」との供述をもとに、昨年12月、同暴力団の組員2人を逮捕。拳銃の動きがほぼ解明された。
県警によると、06年3月上旬、神奈川県藤沢市のスナックで、自殺した男の「出所祝い」が開かれた。
組員らはそこで、同暴力団ナンバー2で拳銃の管理責任者とみられる李和明被告(47)
(銃刀法違反罪で起訴)から拳銃を手渡され、飲食店経営者に保管を依頼。拳銃は2年数か月後、
立てこもり事件の4日前に別の幹部を介して自殺した男の手に渡ることになる。
組員らが「組長の指示で別の暴力団から手に入れた」などと供述したことなどから、県警は、
同暴力団が拳銃を組織的に管理していたと判断。2月25日、組長の島野友一被告(55)の逮捕に踏み切った。
警察庁によると、08年に押収された拳銃は492丁で10年前の約半数。警察白書では
「犯罪組織が隠匿などの方法を潜在化・巧妙化させている」と分析し、現場の捜査員からも
「押収されるのは氷山の一角」との声が上がる。
近年、暴力団は組織防衛のため、組織とは関係のない場所で拳銃を保管するケースがほとんどだ。
流通経路の解明も年々困難になっている。今回の事件で使われた拳銃も、飲食店で2年以上、
それ以前は暴力団幹部の兄弟宅で保管されていた。
暴力団構成員以外が使用した拳銃の保管場所や、元々の管理者である暴力団を特定し、
組長まで立件した今回の捜査について、警察庁は「極めて珍しい」と評価する。
暴力団による銃器犯罪を抑止するため、07年の銃刀法改正では、拳銃の所持や発射が
組織的に行われた場合に懲役刑を重くし、最高3000万円の罰金を科す「加重処罰」が新設された。
しかし、「抗争準備など組の利益のために所持していた実態を立証するには難しい捜査が必要」
(警察庁)で、適用例は新潟県警の1件にとどまる。
厳罰化により拳銃の潜在化がさらに進み、捜査が難しくなっていることも事実。
拳銃を国内に密輸させないための水際対策の強化など、関係機関のより強い連携が求められている。
ソース:読売新聞 (2009年3月26日)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
川越市の発砲・立てこもり事件で押収された拳銃。左から時計回りにトカレフ、回転式、ペン式。(2008年6月4日、川越署で)
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