20/02/27 02:49:30 5K2Sc1jL0.net
『子ども部屋おじさん』
そろり、そろり、音を立てずに歩かなければならない。
こどおじは自分の部屋から台所へと、爪先立ちで慎重に、少しずつ歩みを進めていた。
こどおじはこの時間になると寝酒のウイスキーを飲み始めるのが日課なのだが、ウイスキーに入れる氷を手に入れるために両親の寝室の前を通り台所へ行かねばならないのだ。
どこか遠くでキャブのエンジン音が聞こえている。新聞配達だろう。両親はとうに自分の部屋で寝入っているはずだ。
そろり、そろり。気をつけなければならない。
(この間はトイレに起きる父親と鉢合わせになってえらい目に遭った)