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敵対密売グループ報復に警察利用
小学校に爆破予告のメールを送り、現金１０００万円を振り込ませようとした
などとして警視庁捜査１課は７日、威力業務妨害の疑いで東京都中野区の
無職家重博容疑者（３２）＝大麻取締法違反罪で起訴＝を再逮捕した。
当時大麻密売グループにいた家重容疑者は、現金の振込先を敵対する
グループの口座に指定。「警察が敵対グループを摘発してくれると思った」
などと供述している。 小学校や企業を脅し、現金を要求しておきながらそれが
目当てではなかった男。目的は“商売”の邪魔をされた同業者に罪をなすり付け、
警察の手を使って排除することだった。 調べでは、家重容疑者がメールを送った
のは昨年１０月１７日。東京・歌舞伎町の漫画喫茶にあったパソコンで、三鷹市の
市立小学校が運営するホームページの意見要望欄に「学校を爆破する。１１月末日
までに１０００万円振り込め」などと脅迫。学校職員を警戒に当たらせるなどして
業務を妨害した疑い。 家重容疑者は現金の振込先として、大麻密売グループの
銀行口座を指定。当時別グループの一員で大麻を栽培し密売していたが、敵対する
グループに密売を邪魔されたことで仕返しを決意。「恐喝の内容のメールをすれば、
警察が敵対グループを逮捕してくれると思った」などと供述している。家重容疑者は
今年３月、大麻を所持していたなどとして逮捕されていた。 三鷹市の小学校以外にも
、群馬県の村立小学校、兵庫県の市立小学校で同じような内容のメールが送られて
いたことが判明。大手食品メーカー森永製菓にも昨年１０月、同じ口座番号に
数千万円を振り込むよう要求するメールが届いていた。メールは三鷹の小学校同様
、漫画喫茶のパソコンから送信。現金を振り込まなければ製品に毒物を混入すると
脅していた。捜査１課は家重容疑者の犯行とみて、余罪を追及している。 家重容疑者は
、今年２月に大阪市寝屋川市の小学校で起きた教職員殺傷事件に便乗、児童殺傷を
予告するサイトをインターネット上に作成した疑いも持たれている。そこでも現金を
要求し、敵対グループの口座番号を載せていたという。 [ 2005年06月08日付 紙面記事 ]