04/12/06 22:23:47
「入るんじゃなかった・・か?」
己の判断力の甘さを後悔する間もなく、次のセットが襲いかかる。
はるか太平洋の彼方より力を蓄えたうねりは、浅瀬でぐん、っと
そりあがり、その美しく形成されたフェイスは、哀れな湘南ローカルを
容赦のない大自然の力で呑み込む。
海底にまで体はおしこまれ、その暗闇と水圧は湘南ローカルに
絶望と恐怖を与える。 「海面はどこだ・・?」
生きたい。死にたくない。生命への執着が、湘南ローカルを
ぶあついスープで覆われ、それでも少しばかり明るい
光のさす海面へといざなう。
長い、長い時間がすぎ、一息、やっと一息すいこむことができた。
「げほぉ、げほぉ」せきこんだが、ゆっくりしている余裕はない。
必死でリーシュをたぐりよせ、しがみつくようにボードにのりこむ。