07/08/14 05:46 oobvdBE.
「私に直接影響を与えたのは、1982年以降、アメリカ合衆国がイスラエルにレバノンに侵攻することを許可し、なおかつ合衆国第6艦隊による援護を行うなどの一連の出来事である。」
オサマは事実としてレバノン侵攻にほとんどコミットメントしていない。82年といえば、彼が友人のトゥルキ・ファイサルを通じて、当時のCIA長官、ウィリアム・ケージーと出会った翌年である。
以後、オサマの活動はサウジおよび米国の国家予算と、国際勝共連合やイスラム慈善団体を通じて、世界中から集められた膨大な反共寄付金を、自身とビンラディン・グループに振り向けることだった。
演説の主は、そうしたオサマの経歴も知らないまま、ただ原稿を読んでいるだけだ。本物のオサマは98年、ジョン・ミラー記者の単独インタビューに応じているが、その中で彼はレバノン侵攻について一言も触れていない。
また、一般に信じられている説によれば、オサマが反米に転じた理由は、メッカへの米軍駐留が主たるものだったとされているが、演説の人物は、そのことすら意識していない。
演説の人物は、19年前の事件が発端だと言っているにもかかわらず、当初911(ビル攻撃)は意図していなかったなどと矛盾した発言をしている。
原稿の著者は、92~98年当時のオサマ流レトリックを、ほとんど知らずに書いたのであろう。2001年以降に作られたオサマのイメージだけを頼りに原稿を作っているため、「敬虔なイスラム教徒」という仮面をつけることすら忘れている。
すでに演説の人物の容貌や振る舞いから「偽物」説がささやかれているが、この「偽物」はCIAやDIAが関与した高度なものではなく、もっと知識のないCM制作会社あたりが粗雑に作ったものだと思われる。
この、限りなく怪しいビデオを根拠に911アルカイダ犯行説を信じるのはナイーブを通り越して愚かですらある。