05/10/04 03:07
ハリケーン上陸1カ月:揺らぐ米国/下 財政赤字縮小、先送りも
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「カトリーナが米国の財政と経済政策の展望を一変させる」。米証券大手ゴールド
マン・サックスが最近発表したリポートのタイトルだが、ハリケーン「カトリーナ」の
救援の遅れで批判の矢面に立たされたブッシュ政権が、経済運営でも厳しい局面
に追い込まれていることを端的に表現している。
イラク戦費がかさみ、04会計年度(03年10月~04年9月)の財政赤字が
4125億ドル(約46兆円)と巨額の借金にまみれたブッシュ政権。ただ、景気回復
に伴い、議会予算局は8月、05年度の赤字は3310億ドルに改善すると予測した。
政権は財政再建に自信を持ち、秋からは重要政策の年金改革に本腰を入れる
腹づもりだった。ハリケーンが襲ったのはまさに、その矢先だった。
ブッシュ大統領はハリケーン対策を「史上最大の復興」と宣言した。復興費は
2000億ドルにも上るとの試算が出ている。06年度の財政赤字は4000億ドルを
超すとの予測もあり、「09年度に赤字半減」の公約も揺らぎかねない。623億ドルの
復興予算を成立させた議会だが、追加は必至で、危機感を募らせた共和党は
財源探しに入った。
100件近い事業がリストアップされたが、異論が噴出し、議論はまとまらない。
09年度までに総額2864億ドルを投じる過去最大の道路整備予算をハリケーン
復興予算に回す案もあるが、来年の中間選挙を控え、地元への利益誘導に必死な
議員がそろって拒んでいる。ブッシュ政権が06年度予算教書で、国防費以外の
歳出を切り詰めたため、議会は一段の削減には抵抗が強く、財源確保のめどは
立っていない。