04/08/21 02:43
<被ばく>米ロスアラモス研究所 管理・処分遅れで危険性
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【ワシントン和田浩明】米国の核兵器開発の重要拠点である国立ロスアラモス
研究所(ニューメキシコ州)で、所内のプルトニウムなどの核分裂性物質の
保管体制強化・処分計画が大幅に遅れており、所員や周辺住民に被ばくの
危険性があることが、同研究所を監督する米エネルギー省の監査局が19日
公表した報告書で明らかになった。米国はテロ対策の一環で旧ソ連などの
核物質の保管強化も進めているが、自国内の管理体制にも大きな問題が
あることが改めて浮き彫りになった。
監査は昨年6月~今年2月に実施された。それによると、同研究所は
核兵器施設の安全性を監督する連邦機関「国防核施設安全委員会」の勧告
に基づき、95年から所内の核分裂物質の保管体制強化や処分を進めてきた。
現行の保存容器の中には長期保存には向かないものもあるといい、報告書
は「漏えいによって所員が被ばくし、深刻な健康問題が発生する危険性がある」
と指摘、周辺住民に被害が生じるリスクにも懸念を示している。
当初予定では02年までに措置を完了する予定だったが、予算不足などで
大幅に遅れ、現在の目標年次は10年。核物質の目録が不完全なため、
計画完了がさらにずれ込み、費用と被ばくの危険性がさらに高まる可能性
もあるという。
処分費用の見積もりは当初1億500万ドル(約115億円)だったが、
すでに1億8300万ドル(約200億円)に跳ね上がっている。エネルギー省
の保管体制強化計画への支出は、97~01年度で必要額の6割未満に
過ぎず、01、02年度も8割に満たなかった。
同研究所は03年内に271点の核物質に処置を施す予定だったが、実際
には7割弱の173点しか完了できなかった。さらに、今年1月の時点で、
当初計画には含められておらず新たに対処が必要な核物質容器155個が
あることが分かったという。
同研究所では、昨年8月、劣化したプルトニウム保管容器を調査中に
所員2人が被ばく、00年にも所員8人が被ばくする事故が起きている。
(毎日新聞) - 8月20日22時4分更新