08/05/04 19:02:34
41 名前:zin ◆qZKKO9ORxw 投稿日:2008/05/04(日) 17:34:15
さて、いよいよ表彰式である。
馬主は、いわもとと目が合ったとき、ニターと笑った。いわもとは薄気味悪いものを感じた。見覚えある顔だったが、政治家は一般人の顔などいちいち覚えていられない。
そんなことより、競走馬・イワモト号に夢中になり、撫でるように見回した。黒鹿毛流星四白のコントラストがまぶしい。自分の分身のように思えてきた。馬に愛情を抱いたのは、生まれて初めてかも知れない。
体つきからして牡馬のようだが、よく見ると肝心のモノがない。
JRA職員から騙馬は去勢馬と教えられ、分身の変わり果てた姿に、うろたえてしまった。
表彰式だけは何とか持ちこたえたが、終わると同時にヘナヘナと座り込んだ。
庁舎に戻ってから、zinコマースの所有馬を調べたところ、全頭が騙馬だった。
しかも名前は、イワモトダギャ、オリワイワモト、ゲイノイワモト・ ・ ・ 。
ガクっとなり、机に飾ってあった、ポール中川寄贈・黄金のシラケ鳥に顔を打ち付けてしまった。
そこでふと、心当たりあることを思い出した。
貧乏派遣社員だった時代、自宅ボロアパートの隣の部屋にいた引き篭もりが、そんな名前だった気がする。馬主の顔に見覚えあったのは、廊下で何度かすれ違ったせいかも知れない。隣人はいつも顔をふせて歩いていたから、よく見たことはないのだが。
よくある隣人トラブルが、思わぬところで自分に跳ね返ってきたのだった。
(つづく、かも?)
うさぎぼうりょくのすべらない話Vol11
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