07/11/16 23:42:46
重力利用(荷重)の矛盾
水平面における重力利用の基本は、両スキー荷重です。
これは静止した立位姿勢の人間にとって、最も合理的、かつ安定した姿勢です。
しかし、静止ではなく運動するということは、安定状態を意図した方向に崩すということであり、
つまりターン運動は、ターン内側への「不安定」を積極的に作り出すことによって生起されている
ということになります。
スキーは、他のスポーツと違って、水平面ではなく斜面で運動するスポーツです。
このことは、スキーが重力利用の特性を生得的にもっていると言えるでしょう。
しかし、スキーは、斜面で行うがゆえに、重力利用を複雑にしているとも言えます。
例えば、スキーヤーが斜面に立つ場合、山スキーよりも谷スキーに荷重が多く配分
されるのは、合理的なことであるといえますから、このことにより、
山回りは外スキー荷重であり、谷回りは内スキー荷重となります。
そこで、両スキー過重の安定性、内スキー荷重の優位性、谷スキー荷重の合理性
という重力利用における相容れない矛盾した状況を矛盾なく処理するのが、
スキーの醍醐味だといえるでしょう。(写真2:こうしきぼん立ち読みしてください)