07/07/18 09:01:06 VbaN5/m9
昨日のレポの方はyoshimasa氏が詳細を上げておられますので私は
例によって個人的感想です。
差別的取扱いについて、突っ込んだ議論がなされていましたが、企
業勤めの私には違和感の有る議論で、例えば採用時の部落差別とか
に関して、「企業は巧妙にいい訳できるように採用時の設問をして
いる」とかそうした趣旨の論調が国歳委員初めありましたが、実際
の企業が現在抱えている問題を全く無視した空論に過ぎないなぁと
思います。しばらく前から少子高齢化が叫ばれており、実際新規就
業希望者数は年々減少しているわけで、1990年代からのデフレ進行
により新規雇用が著しく減少していたせいで表面化はこれからです
が、今後企業の人手不足は非常に深刻な問題です。大手、準大手で
さえ希望するような人材の獲得に苦労している状況で、同和問題を
元に優秀な人材を不採用に出来るような余裕は、今後ありません。
県内に多い中小企業ではどれだけ採用基準を下げていっても新規雇
用が出来ないところも有り、実際採用時の差別的取扱いなどしたく
ても出来ない実情が有ります。ただし、思想に著しい偏重が見られ
るなどの場合は、爾後のトラブルを避けるために採用を見合わせる
などは当然あると思いますけどね。
それと、障害を持った方、外国籍の方の採用に関してもほぼ同じこ
とが言えますが、もう一点重要な視点として、日本の雇用慣行を十
分に理解されていないために、委員の方に「人材」と「労働力」の
区別が付いてないのではないかと思います。日本の企業は常時雇用
者を雇い入れる場合必ず「人材」を求めます。それは、企業の中で
共に働き能力を高めることで、その人の価値と、企業の価値を互い
に高めていく為であり、欧米的な「労働力」を基本とした雇用慣行
と大きく隔たりが有ります。唯単に人を「労働力」だけで捉えてし
まえば、その先には何も無くなるのです。この、日本企業の長年培
った思想を踏まえた上でないと、障害者の雇用については問題の解
決が出来ないだろうと思います。この場合に何が必要かといえば、
それぞれの個性(障害のレベル)に応じた能力開発であり、その前
に1人の人間として自立しようとする気概の養成です。そうした議
論が出来なかったのは今回の委員の人選に問題が有るんだろうと私
個人的は思いました。
あとは、田村委員の含蓄の有る発言を聞いて先のイライラが解消さ
れたのですが、検討委員会のメンバーの中で、法律的な問題等は専
門外で有るにもかかわらず、一つ一つの発言が燻し銀の輝きを持っ
ていて非常にために成ると言うか、個人的にお話を聞いてみたい方
ですね。
と、今日の日本海新聞は検討委員会を全く伝えていませんでした。
なんちゅう体たらく。東海問題なんかで民譚の意見広告を載せるぐ
らいならきちっと報道してほしいもんです。