08/03/17 16:01:34 0
我々は権兵衛が何故あのような異臭を漂わせるのかという
疑問を解決するため、権兵衛の故郷であるとある村に向かった。
「まだ日本にこんなところがあったのか…」
思わず口に出てしまった言葉を同行した上司に失礼だと咎められた。
小人が住むような小さな家、ツギハギだらけの服を着る農夫たち、
そして彼らは余所者で身なりのいい我々を監視する様に見詰めている。
高度成長だの、神武景気だの、オリンピックだので浮かれていた
我々は改めてこの村の現状を噛み締めていた。
ボロ屑のような家に居たのは老いた母親一人
我々を見るなり全てを悟ったのか、涙ながらに
「息子が申し訳ありません」と我々に何度も土下座して詫びた。
我々はこの時初めて権兵衛を許そうと思った。
誰が悪い訳ではない、この村の貧しさが全て悪かったのだ。
我々は権兵衛の母親から貰ったダボハゼのから揚げ、通称ダボマヨを手に、
打ちひしがれながら東京へと帰路についた。